世界のアレコレ1
【桃姫side】
ここは稲葉山城。
主に、私の父親......斎藤道三の拠点として、知られている場所で
道三「よく来たな、桃姫よ」
今現在の私は、道三さんに世界情勢を教えるため、その稲葉山城にいた。
ちなみに、授業のお供として、チョコレートをコーティングした胡桃と、美味しい緑茶を用意した。
道三「それで?これが世界地図とやらか」
目の前にある、世界地図を見つめながら、そう言う道三さん。
桃姫「はい、そうです。ちなみに、ここが我らの住まう大陸です」
そう言った後、私は日本列島を指すと
「「「「「「オォッ.......!?」」」」」
家臣達は、目を見開いていた。
道三「これが我らの日本.......」
十兵衛「桃姫様、北と南にある土地は一体?」
北海道と沖縄を指差しながら、そう言う十兵衛。
桃姫「あ、そこね。そこは蝦夷地と琉球。どちらも同じ日本列島の一つだけど、蝦夷地はこっち側と人間と争ってきた歴史があるんだよね」
十兵衛「こっち側..........と言うことは、元々、蝦夷地に暮らしていた人々がいるのですか?」
桃姫「そうだよ。ついでに言えば、琉球にもそういう人々がいるんだけど、彼らには独自の文化があるから、保護すべきだと思うんだけどなぁ」
十兵衛「は、はぁ......」
出来ることなら、アイヌの人達を守りたいしね。
道三「桃姫よ、まさかとは思うが......蝦夷地に行きたいのか?」
桃姫「行けたら......ですけどね」
道三さんに対し、ニッコリと微笑む私。
......時間があれば、蒸気船を作りたいなぁ。
桃姫「さて、日本の話はそこまでにしておいて...........そろそろ、世界情勢の話に入りましょうか」
私がそう言うと、ゴクリと喉を鳴らす家臣達。
桃姫「まず、この世界の今の状況ですが......主に未知なる香辛料や財宝を求めて、それから布教のために、海を進む南蛮人が多くいます」
道三「待て、布教というのは.......南蛮人は、仏を信じているのか?」
桃姫「いえ、南蛮人達は仏を信仰してはいません。彼らが信仰しているのは、唯一にして無二の存在にして、三位一体の神、ヤハウェです」
私がそう言うと、家臣達は分かりやすく騒つき始めた。
道三「ヤハウェ.......」
桃姫「ヤハウェを信仰している宗教、キリスト教は、いわゆる『神を信じ、神の前に悔い改めれば、天国に行ける』という感じの宗教で、要は、神様を信じ、自身の罪を悔い改めれば、極楽に行けるという考えです」
私がそう言うと、顔を見合わせる家臣達。
まぁ、今まで仏教の教えしか知らないから、そうなるよね。
道三「......その宗教は、南蛮人達の間では有名なのか?」
桃姫「有名も何も、南蛮では仏教並みに浸透していますからね」
道三「何!?」
うん、そんな反応になるよね。
桃姫「彼らが信じる神の教えの中には、人々に神や神の子、キリスト・イエスのことを布教するような内容もあるんです。だから、彼らはわざわざ海を渡るんですよ」
十兵衛「ですが、その海の向こうの人々が、仏教などを信じていた場合はどうなるんですか?」
桃姫「恐らくは、改宗するまで教えを解くか、異端者として殺すか......の二択だと思う」
十兵衛「え?」
私の言葉に対し、思わず、そう言葉を漏らす十兵衛。
桃姫「あ、後者のやつは極端な人の場合ですけどね」
十兵衛「でしょうね!!」
だろうなと言わんばかりに、十兵衛はそうツッコミを入れた。
いよっ!!ナイスツッコミ!!
桃姫「あと、貿易や布教以外にも、南蛮人が日本に訪れる理由はあります」
道三「まだ他にあるのか!?」
まだあるのかと、驚く道三さん。
また、退屈そうにしていた一部の家臣達も、いつの間にか、私の話を聞き入っていた。
桃姫「一部の南蛮人達は..........我々、日本の人々を奴隷として、売り飛ばすつもりで日本に訪れている可能性があるんですよ」
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