第22話 太っ腹〜!

 そして渡されたやつを見てみると、なんとおへそを出すスタイルの服だった。前世で一時期流行ってたやつ。もちろん私は買ったことも着たこともないけど。寒そうだなぁと思ってたくらい。おへそを出すの恥ずかしいけど、お姉さん達がすすめるなら間違いはないか。動きやすそうではあるし。防御面は心配だけど。


「着ましたけど」


そう言って試着室から出た私を見た2人はうんうんと頷いた。何その(後方腕組み)がつきそうな反応は。


「やっぱりこれね」


「そうね」


お姉さんに続き、店員さんも答える。


「リターちゃんだからこそ、このスタイルが生きるのよね。私が着るとどうしても下品な感じになってしまうけど、リターちゃんの場合は背も高いしすらっとしているから健康的に見えるのよね。それにズボンから覗く脚もポイントが高いのよね」


急に饒舌じょうぜつになるじゃん。


「あのー流石にちょっと恥ずかしいというか……」


「あら、ごめんなさい。可愛くってつい」


だからそれをやめて欲しいんですけど……。話をちょっと変えよ。


「あのー、ちなみにこれいくらするんです?」


「ん、いいのよ。ここは私が払っておいてあげるから」


「いいんですか?」


「いいのよ。連れてきたのは私だし」


「ありがとうございます」


正直半分くらい出してくれるかなって期待していたけど、まさか全額払ってくれますとは。懐が寂しい私にはありがたい話でございまする。まあ、いつかは別の形でちゃんと返さなくちゃいけないとは思うけどね。


「まぁ、出世払いみたいなものよ。私たちの遊びにも付き合わせちゃったし」


お姉さんの隣で小さくごめんねのポーズを取っている店員さんが目に入った。やっぱり遊ばれてたんだ、私。途中から猫耳やらメイド服やらが出てきた時から気づいてはいたけどね、うん。

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