第3話 花束を君に

君は病院の中庭にはいなかった。

どうしたんだろ、僕は不安になったんだ。


急いで、君の病室へ走ったんだ。

病室にも君はいなかった。

何処に行ったんだろと戸惑っていたんだ。

その時、ベットの上のノートに気がついたんだ。


見るつもりは無かったんだ。

ただ、ページが開かれたままだったから、、。


そこには、毎日の出来事が書き記されていた。

僕の名前。えんぴつで僕の顔が描かれてた。


毎日、僕が話した事が全部、書いてあったんだ。

美桜、もしかして、毎日、これを読んで

昨日あった事を記憶してたのかい?

なら、僕と会った時に、僕が拓郎だって

わかってたのかい?


僕は貪るようにノートを読んだ。


そしてね、美桜の気持ちを知ったんだ。

美桜、バカだなぁ。

僕はね、美桜じゃないと駄目なんだ。

東京へ美桜が行った時、僕はね後悔したんだよ。

何故、僕も行かなかったのかってね。

僕は二度と後悔したくないんだ。


僕たちはね、きっと試されてるんだと思うんだ。

どんな事が起こっても、愛を信じられるかどうかをね。


美桜、一緒にずっと、ずーっといよう。

君にプロポーズするよ。

花束を持ってね。

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