(6)

「全然知らんって、どう云う事だッ?」

 これまでの経緯を説明したら、当然ながらウシャスさんは大激怒。

「だから、ボクが王宮から抜け出したのと別のタイミングで……」

「じゃあ、どうしてお前は、王宮から抜け出したんだッ?」

「そ……それは……」

「どちみち、この広い町の中から探す方法なんて……何か手掛かりでも有れば……」

 サティさんは、頭を掻きながら、そう言った。

 ん?

 手掛かり……えっと……待てよ……。

「あ……あのペット達は、まだ王宮に居る?」

「え……? あッ‼」

「あんなのが頼りになるのか?」

「あいつらは生まれ付き魔法的な力や人間には無い感覚を持ってた筈だ。ひょっとしたら……」

 ウシャスさんが口に出した当然の疑問に、サティさんが、そう解説する。

「あと、たしか、あの子達は、草原の民の言葉が判った筈だから……」

「あたしは、こいつらを連れて王宮に戻る」

「確実な手じゃないだろ?」

「虱潰しに探すのと……この方法を並行してやる。おい、お前たちは手分けして王都中を探せ。見付かっても見付からなくても、ウシャスに定期連絡を入れろ。あたし達は……別の手で探す」

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