(4)

「うぎゃああああッッッ‼」

 例の獣化能力者ワーアニマル殺しの魔法の剣をラートリー達に届けようとしたアスランは、何故か知ってる抜け道の扉(壁にしか見えないけど)を開けようとした途端……悲鳴とともに尻餅を付く。

「ど……どうしたの?」

「判んねえ。何か、抜け道の扉に変な魔法か何かがかかってる」

「どれどれ……」

「馬鹿、触る……」

 記憶がそこで飛んで……。


「何やってんの、2人とも……」

「えっ?」

 どうやら気を失なってたらしい。

 声の主は……お嬢様。

 その横には、すっかり、偽物の「お姉様」になついてる第2王女。

「い……いや……ここの隠し扉を開けようとしたら……あっ‼」

 第2王女が、隠し扉を開けようと……えっ?

「開いたけど……?」

 ちょっと、どうなってんの?

「そもそも、何の為に、ここ開けようとしてたの?」

「い……いや……友達ダチに例の獣化能力者ワーアニマル殺しの刀を届けようと思って……」

「王宮の宝物を勝手に外に持ち出していい訳ないでしょッ‼」

「でも、あれが有ったの宝物庫じゃなくて物置だし……」

「物置でも宝物庫でも、どっちでも、泥棒でしょう、普通……え……ちょっと何やってんの?」

「普通に開いたって事は、もう大丈夫なんじゃないかと思って……試しに……」

 そう言いながら、隠し扉を閉めようとしたアスランだったけど……。

「うぎゃああああッッッ‼」

「どうやら、特定の人間にしか反応しない魔法か何かがかけられてるみたいね」

 え……ちょっと待って……。

「じゃ……何で……ボクにまで反応したの?」

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