第44話

「お盆の時期に精霊馬作ってた?」

「いや作った覚えは無いなぁ。俺の地元は初盆は家毎で船を作って親戚一同で港に流しに行く風習があったくらいで…」

「あぁ、精霊流しってやつだっけ? むかし歌にもなってたよね。静かで良い曲だったと覚えてるよ」

「良い歌なのは間違いないけど、もし見に行くつもりなら過去動画のアーカイブみて、耳栓の準備をしていけよ。」

「何で耳栓??」

「行けば分かる。ついでにきっちり耳を覆うイヤーマフタイプがお薦め。」


「話は変わるけど、精霊船をながすとなると胸に来るものがあるらしいね。この船を流してしまえば、亡くなってしまった人との交流が切れる事を意味するわけだし、船を波止場に持って行く間に生前の思い出が浮かんでくるとか。」


「まぁ、準備をして見に行ってみるよ。」

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