転生あるあるコースな件について。

「いっただっきまーす! 」

「い、いただきます。」

 先ほどメッタメタにした鳥型の魔物を魔法が心置きなく使える場所で、とてつもない大きさの炎を出して丸焼きにする。処理、血抜きも、全部魔法でやった。

 いまだに引きずってはいるが、女神というだけあって、魔法でできないことはなく、その全てを注ぎ込まれた。便利である。引きずっているけど。

 と、思いながら、狐色になった肉を口に運ぶ。

「んんん〜! 口の中に肉汁が広がる〜! 」

「鶏とも鴨とも違うけど、めっちゃ美味い〜! 」


 すると純白の鎧を見に纏い、白馬に乗った単体で見ればかっこいいのに、合わせてみると悲しい明らかに貴族な雰囲気を醸し出す者が現れた。情報が多いな。嫌いなんか。自分で言ってるのに。

「貴様らか。あれをワンパンして、その……食べているのは。」

「(ねえねえ、嫌な感じだね。火球ぶち込んでいい?)」

 テレパシーで話しかけてくる閃。辞めてくれ。

「で、あなたは何が目的なの? 」

 白い鎧の男に尋ねると、仮面を外し、

「我々に戦をご教授していただきたく存じ上げます。」

「ん? 僕は『ウィンドカッター!』って言って鳥を息があるうちに捌き上げただけですよ? 」

 こいつ最初から食べるつもりだったのかよ。

「あの鳥は物理、炎耐性持ちで、それなのに耐性無視して、ワンパ……一撃で仕留めるなんて、神の力か大賢者の生まれ変わりとしか思えません! 」

 大賢者って一人じゃないのか?

「よし、腹ごしらえも済ませたことだ。悪いな。で、こちらとしての見返りはあるのだろうな? 」

 閃が尋ねると、得意げな顔で、

「王国にて、国王をも凌ぐ最高権威『真王』を授けましょう! 城内最上階で悠々自適な暮らしをするも、国を思うがままに改革するも、神に仕えるもよし。どうか、その魔法を教えてくれはいただけませんでしょうか!? 」

「「(思ったよりも常識人だったんだよな……なんかすいません。)」」

「どうするか? 籤。」

「行こう。閃。」


「「ヒャッホー!! 城の中!!」」

「(どんなに強くても、やはり子供なんだよな……)」

といった顔をする二人を見て、白い鎧の男は懐かしいような、後悔しているような、顔を浮かべるのであった。

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