人生は歩いてきた道が本道になる

タイトルに、遠回り、とある本作。主人公が歩む道は、実に曲がりくねっていて、どこを目指して歩いていたのか分からなくなっていきます。

以前は未来に真っ直ぐ道が伸びていたはずなのに。どうしてこうなってしまったのかと苦悩します。

でも人の将来に約束されたことなんてないんですよね。いろいろ障害に当たって、精一杯生きていると、それが結果として後から見れば人生の本道になります。主人公は彼の人生の本道を歩んでいます。

辛い目に遭いますし、選び得た幸せも永遠ではないですし、ほろにがいを少し超えているかも。重いドラマを求める読者に十分に応えます。

憂さを晴らすために小説を読むのとは違う、人生を追体験する愉悦がここにあります。

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