しゃっふる・おぶ・さんかく

碧井詩杏

第1話 生徒会役員の悪戯(ゲーム)

 —これは一人の男子を奪い合う三角関係を小説にするために関係を荒らす話—


 下校を告げる鐘の音が校舎中に響き渡る。その音と同時に水にように中にいた生徒が出てくる。部活に行く者、帰宅する者、居残りする者。

 またそれとは別で、6人、ある部屋に向かう者たちがいた。その部屋は生徒会室。彼ら六人は生徒会役員であった。六人のうちの一人、彼の名前は朱田玲。小説を投稿しており、公表もしている。彼のアンチも多い。特に吹部。その隣にいるのが川田苺。一人では少し頼りない彼のサポート、ツッコミ役である。朱田とはよく恋仲と勘違いされるが、お互い全力で否定している。実際違う。そして彼女も吹部である。ただアンチではない。

 朱田と川田が一緒に生徒会室に向かう姿を見て、川田を影から見送り、朱田に嫉妬の念を送るものがいた。彼は藤原康巳。もちろん彼は川田のことが好きである。

 そんな彼に憧れと好意を、向こうの二人に憎悪を贈るものがいた。彼女は結城希。

 これは三人とそれを小説を書くとき面白くする為、介入する朱田とその他色々の話である。


 松原がこっちに来て話しかけてくる。

「おーい、朱田、耳貸せ。」

「なんだなんだ?」

「結城は藤原のことが好きで、藤原は川田のことが好きらしいぜ。態度から察して勘づいた。」

「マジか。いいね、書いたら楽しそう。」

「書くのか?」

「もちろんだ。名前をいじって」

 朱田は提案をした。

 ・藤原と川田をくっつけること

 ・この関係を書くためにいい感じに介入すること

「そして、この状況をいい漢字に脚色して小説を書くこと。」

「いいね、最高だ! 頑張れよ、怨嗟の塩酸先生」

 朱田は帰って友人の愛奈あなにラインを送る。

「疑ってはいたが、やっぱりお前、ブレザーでわからなかったが、女か。」

「ちゃんと。安心しろ。」

「キッショ・・・」

「喉仏のことですが何か? 何を想像したのかな〜君は〜」

「ウッザ」

「まあいい、攻略サイトにでもしてくれ。」

「というか、お前本当にんだよな? 」

「キッモ」

既読スルーでスマホを閉じて、ベッドで目を閉じた。

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