燃えよシルバージャックナイフ続編! 紅の騎士サリア

ヒラリオン

第1話 紅の騎士サリア

「日本史」を熱心に学んでいる紅の騎士サリアは、手足の長い美しい肢体にチョット熱めのシャワーを浴びている。


なぜ、「キリスト教」が広まらないのかを考えている。

そうなのだ、現代の日本では総人口の1%しか信者が居ない。


「なぜだ!」


サリアは、こう考えた。


そう戦国時代にあの男が「変死」しなければ、ここまでの伸び悩みは、無かったであろう。


そうその男は「織田信長」である!


つまり、信長の「南蛮貿易」なのだ!


サリアの明晰な頭脳で、日本史を読み解くと信長という男は、自分が富を得ること、国を富ますことに全力を尽くすタイプの人間である。


さらに目的の達成ためなら、どんな汚い手でも使う人間であると推測した。

もし信長が生きていれば、日本は「極東の貿易拠点」となっていたに違いない。


そうなれば、外国人である白人やら黒人、あらゆる人種が、

現代の日本に多く居住することになり、「キリスト教」は嫌が負うでも広まったに違いない。


さらに信長は、敵対する本願寺門徒たちに対するカウンターアタックとして「キリスト教」の布教を期待しているからだ!


「貿易」ほど、儲かるものはない!


とサリアは考えた。


確かにその通りで、源平の合戦で天下をとった平清盛は、最初は博多で「日宋貿易」を行なった。

やがて、京都に近い大輪田の泊(現、神戸)で貿易を行なった。

主な輸入品は宋からは香料・医薬品・書籍・銅銭・陶磁器等で、輸出品は刀剣・水銀・硫黄・砂金等である。



次に大がかりな中国との貿易を行ったのは、足利幕府三代目将軍である足利義満の行った「勘合貿易」である。


足利義満はプライドを捨て「日本国王」の称号をもらい、その上で明の皇帝永楽帝の許可のもとに行われた。

つまり、中国皇帝の臣下となって始まったのだ。


条件としては、日本人の海賊である「倭寇」の取締である。

明からは銅貨や絹、美術品等を輸入し、日本から刀や槍、扇、硫黄等を輸出した。


室町幕府は、そのおかげで莫大な利益を得ることができた。


何と言っても「貿易」が一番儲かる!



過去に死んでしまった戦国武将を考えても仕方がない。

その時代に戻れるはずはない。

呼び出せたとしても役には立たないだろう……。


それよりも、これから再び始まった「龍の一族」との決戦に思いをはせた。

20年前にも「龍の一族」との戦いがあり「大天使メタトロン」のおかげで、難を逃れたと聞いている。

やはり、ホームアンドアウェーなのである。


つまり、ここは日本であり「龍の一族」は圧倒的有利なのだ!

自分の「フォース」の力もなぜか弱く、剣技にもいつもの切れがない。


「どうしたら良いのか?」 


駒はある。いくらでも。こちらは世界で10億人以上の信者を数えるキリスト教団なのである。


ここまで、タンカーで来て「何も得ない」というわけでは、国もとに帰れない。

しかし、現代日本人に伝導が可能か?かなり怪しい。

現代の日本人は「唯物論」の権化であり、流行る宗教は、皆いい加減なものばかりなのだ!

いやだからこそ、本物の宗教を伝えたい!伝えてあげたい!

胸が熱くなる。


これより「軍議」が始まる。

人を「出自」で判断する、嫌なオスカーとも合わねばならない。


頭を一瞬で切り替えた。

また同じ孤児院で一緒だったカマールに会える!


胸がときめいた!

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