第2話 学習

 私は授業や講義を受けることが苦手だったように思う。ひとの話を聞いて理解する能力が不足していたのかもしれない。いや、それ以上に書くことが苦手だったのかもしれない。聞いた内容をノートに書く、板書をノートに写す、これが嫌いだった。なまじ字が上手だったから、綺麗に書けないことがストレスだった。後から見ても役に立たないような殴り書きだった。その結果、書き直すことにエネルギーを使い過ぎていた。今思えば時間の浪費だ。

 聞くより、書くより、読む方が遥かに効率的で、実効性を伴う。

 だが、読む対象が用意されていなければ、聞いて書くほかない。これが一人の限界であり、私の限界だったように思う。

 

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