学校編

第5話 いつも通りの学校

 それから次の日となった。

 僕はいつも通り学校に来ている。

 ほんといつも思うけど朝起きるのだるかったよ。

 そしていつも通り、肩を掴んでくる奴がいる。


「おはよー、なるっち! 家族旅行は楽しかったかい?」


 そう言って肩を組み喋りかけてきてくれたのは、僕の唯一の喋れる親友、輝星 颯太きせい そうただ。

 こいつは僕と違って陽キャなやつなのに何故か僕に喋りかけてくれる、いい奴だ。

 そしてなるっちとはわかると思うが僕のあだ名である。


「よー、親友。めっちゃ楽しかったわー」


 まじであの子のためならなんでもできる気がするわ。実際、性に合わないことしたしな。


「ほぉー? いつもは「あぁ、荷物持ちだるかったわぁ」とか言ってるのに、今回は違うのかい?」


 やっちまったー、今回は美少女に惚れたから楽しかったんだけど、今まではただの地獄やったもんなぁー。まぁ、ここまで行っちゃったら引き返せんし。


「今回は違うね」

 

 そういい、ニヤッとした顔を見せる。


「うわ、その顔キメェ」


「どつき回すぞ、ごら」


「やれるもんならやってみろよぉ〜」


「言ったなぁ??」


 いつもの調子で戯れあっていると、


「はーい、みんな席ついてねぇ〜、朝のHRを始めるわよ〜」


 ちなみに、僕のクラスの担任は学校の教師の中で可愛いランキング1位の楠木 葉月くすのき はづき先生である。


 このままHRを終え、少しの休み時間の後、授業に入る。

 ここで少し僕のコミュ障具合を今からの英語の授業を例に紹介したいと思う。


「はい、じゃあ、What do you think of that? これを隣の人と訳確認してねー」


 英語担当の楠木先生がいつものように隣と喋るように言ってくる。


「あなたはそれをどう思いますか? だよね?」


 隣の女子が喋りかけてくる。


「ぅ…」

 

 こう言うとき、僕はコミュ障のせいか、喋ることができなくなり、結局は必死に首を縦に振る事しかできない。


 そうすると隣の席の女子も、うんうんと頷き前を向く。


 そう言うことの繰り返しである。

 僕も変えたいと思っているが、なかなか変えられないのが現実である。


『でも、あの子とは咄嗟だったからか、喋れたよな…、あの子に会いたいな…。』

 

 もちろんあの子とは美優さんである。

 そんなことを考えながら授業を受けていたら、


「鳴釜くん? ぼーっとしてたけど、話聞いてた?」


 ちゃんと見られてたー、今日はついてない。


「………すいません」


 僕は先生とはなんとか喋れるのは助かるところである。

 

「ちゃんと聞いとくのよ? じゃあ、12番の文の解説だけれども……」

 

 まあ、今日はおとといのことがあったからぼーっとしてしまったけど、基本はこんなことはない。

 例に含め先生の注意もついてしまったが、こんな感じである。僕のコミュ障具合は相変わらずレベチである。

 はぁ、ほんと早くコミュ障を治したいよ。


 



 昼休み、僕は恒例の如く、颯太とご飯を食べていた。


「なるっちぃ、そろそろ学校併合だよなぁ」


 颯太がそう言う。

 そう、今年の4月からうちの学校は近くの高校と合併するのである。

 知らない人が増えるだけだから憂鬱だなぁ


「そうだな、ほんと嫌になっちゃうぜ」


「俺はそうは思わないけどな。まあ、なるっちにとって俺みたいな、こんな感じのノリで喋れるやつに出会えることを祈ってるよ」


「まぁ、いないとは思うけど…。そもそも僕の中でも基準わからないしな。てかお前いいやつか?」


 急にいいやつになるのはやめて欲しい。正直反応に困るんだ。

 

「今更知ったのか? 俺ら長い付き合いだろ?」


「そうだけど」


 僕らは中学の時に知り合って、そのままずっと仲良くしている感じである。

 出会いが、颯太の方から わっ!っと座っている驚かせてきて、僕が椅子ごとひっくり返ったのもいい思い出である。

 あの時はこんなに仲良くなるだなんて一ミリも思っていなかったが。


「ひでぇよなっ!」


 そう言って、急にこしょばしてくる。


「あっはっはっはっは! もう、やめ… あっはっはっは!」


 僕はこしょばしに弱いのだ。

 散々笑い疲れた後はゆっくりとご飯を食べるのであった。


 それから特に生活の変化なく終業式を迎え、春休みを終え、学校合併後の始業式の日を迎えるのであった。


 この時の僕はまだ知る由もなかった。

 また、と出会うことになる事を…。


 〜後書き〜


 どうもこんばんは! ともともです!

 今回は学校での蒼の説明回でした。今回はラブコメっぽいことは特になかったと思いますが、次話からあの子との絡みもかかると思うので、お楽しみに!

 もし続きが気になったと言う方は作品のフォロー、応援、コメント、お星様評価をよろしくお願い致します!

 これからもこの作品をよろしくお願い致します!

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