下剋上ハンターのスキル強奪配信〜強くなるついでに生活費の足しにでもと配信付けたらバズってた〜

あおぞら

第1章 駆け出し雑魚配信者

第1話 世界最弱級の無謀なダンジョン配信

 ———30年前。

 世界に異次元へと繋がる入り口———通称『ダンジョン』と呼ばれるモノが出現した。


 その中には、地球とは似ても似つかない所から、地球のとある部分と似ている所など、様々な世界が広がっていた。

 しかもそこには地球には存在しない多種多様な生物———モンスターが生息していて、時折ダンジョンブレイクたるモノを起こして此方の世界に災害とは比べ物にならない程大規模な被害を与えるのだ。


 そんなある日———何処からともなく漫画の様な力を持った超人達が現れ始める。

 

 原因は不明。

 しかし時間が経つにつれ超人達が爆発的に増えていき、ほんの30年で、何の能力も持たない者は存在しなくなった。

 同時に20年前からハンターと言う名前が付けられ、等級と言うシステムが出来上がる。


 そして俺———白星直斗しらぼしなおとは、ハンターの中で最も弱いF級。

 更にステータスも世界最弱レベル。


—————————————

【名前】白星直斗

【種族】人間(雑魚乙)

【年齢】18

【Level】1

【体力】2

【魔力】2

【攻撃】2

【防御】2

【敏捷】2

【スキル】

《下剋上:I》《スキル強奪:I》

《経験値半減:Ⅴ》

—————————————


 舐めてんなコイツ。


 ステータスボードと呼ばれるステータスを可視化した機械にすら煽られる始末。

 それにただでさえクソ雑魚ステータスなのに、経験値半減とか終わってるよ。


 このステータスのせいで、ハンターになって5年経った今でも、一度もダンジョンに入った事ない。


 しかし最近———近くの山の穴でダンジョンを見つけた。

 そこで俺は、ダンジョンをハンター協会に報告した瞬間に潜ることにした。


 こうすればギリ違法ではなく、合法的にダンジョンに潜れる。

 まさに俺にとって千載一遇のチャンス。


 と言う事で……。


「———どうも、初めまして。老若男女、ニートから金持ち敏腕社長までこんにちは。世界が誇る底辺F級ハンター、白星しらぼしです」


《初めまして!》

《F級ってマジ?》

《F級がダンジョン入るとか自殺志願者?》


 金稼ぎと共に、死にそうな時に救援を呼ぶために配信を始めた。

 俺は、バイトで必死に稼いだ金で買った自立型ダンジョンドローンのカメラから映し出された半透明の画面に向かって話す。


「今日は、新しく見つかったD級ダンジョンを攻略する……はず……」


《せめてそこは言い切れよ》

《死んだらシャレにならんぞ》

《だから配信付けたんじゃね?》


 現在の同接数は5人。

 少ないが、全くの無名である俺がやっているのだから、0人じゃないだけマシだ。


「流石ダンジョン配信者ガチ勢達。正しくその通り! 俺はクソ雑魚なので、皆んな救援を呼ぶスタンバイよろしく」


《おけ》

《任せな》

《まあ命懸けでもダンジョン潜らないと最近は稼げないもんな》


 皆んな優しい人で良かったよ。

 1人減って4人になったけど。


「そう言う事。それじゃあやってこー!」


 俺はダンジョンの中に入った。











 ———開始10分。


「死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ! マジでヤバい、怖い、人生詰む! 何で初手で徘徊ボスモンスターのダンジョンなんだよ———ッ!」

「ブモオオオオオオオ———ッ!!」


《おい、真っ直ぐ走らずくねくね逃げろ!》

《オークエリートは力は強いけど、動きは遅いから、兎に角捕捉されない様に全速力で走れ!!》

《救援呼ぼうか!?》

《でも少し見ていたい気もする》

《分かるけどシャレに何ないぞ!? オークって全モンスターで最底辺レベルに遅いのにどんどん近付かれてるんだぞ!?》

《あのステータスボードに書いてあったの本当だったんだな》

《オール2な》

《嘘かと思った》

《マジとかそれこそヤバいて!!》


 俺は、10階層まである層の第1階層のエリアボスから命からがら逃げていた。

 この地形は洞窟型で、天井は30メートルしかない代わりに、隠れられる巨大な岩が沢山ある。

 相手は1037人のリスナーの中の誰かが言ってくれたオークエリート。


 そもそもオークとは、豚と人間を混ぜ合わせたみたいなモンスターだ。

 ムキムキな豚の性質を引き継いだのか、めちゃくちゃ怪力であり、オークエリートはオークの中でも強くエリートなオークである。


「それにしてもドローンの性能凄いな! 俺のバイト代15万円の2年分の金が掛かるだけある!」


《そんなの言ってる場合じゃねぇよ馬鹿!》

《逃げろ逃げろ!》

《あ、そっちじゃねぇ!!》

《あ"あ"あ"当たる! しゃがんで!》


 俺はコメントの指示通り後ろを見ずに立ち止まって頭を抱えながらしゃがむ。

 すると、俺の頭上をオークエリートが持っていた斧が飛んで行った。


「え、早っ、怖っ!? ど、ドローンは!?」


 俺はドローンを確認しようとして……結界で斧が弾かれているのを見て唖然とした。

 仮に俺が斧に当たっていれば、豆腐の様に簡単に真っ二つだったはずだ。


「うそ、ドローンって俺より強い?」


《てかドローンって360万円するんだな》

《高っ!?》

《てかどれだけバイトやってたんだよ!?》

《白星、そんなに高いドローン買って1日で使えなくなるなよ!》

《ドローンより自分の心配しろ!》

《此処で死んだら死に様を37,000人が見る事になるんだぞ!》


「ええっ!? 今俺の配信3万人に見られてんの!? めっちゃ恥ずかしいんだけど!」


《気にするとこそこじゃねぇよ!》

《白星! 攻撃しないと倒せないぞ!》


「あ、そっか! すまん、怖すぎてスキル忘れてた! ちょっと待って、今から俺の本気を見せてやるから!」


 俺は急ブレーキを掛けると、体長3メートルは優にありそうなムキムキの豚人間と相対する。

 オークは荒く鼻を鳴らしており、いつの間にか拾ったらしい斧を肩に担いでいた。

 めちゃくちゃ怖いが、覚悟を決める。



「スキル———《下剋上》!!」



———————————————————————————

 だんだん強くなる系主人公の配信モノ。

 ☆☆☆とフォロー宜しくお願いします!

 人気が出れば1日2話上がるかも。 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る