第38話 『送別会』(ざまぁ回 final)
『もーヤダッ、お家カエルッ』
トカゲは焦げた翼を羽ばたかせ、宙に逃れようとする。二人にやられたダメージが残っているが、俺からすれば知ったことではない。
『言っとくガ、雷を呼んでもムダだからナッ!? ワイには雷耐性ガ……』
「
天空より飛来した小型隕石が、トカゲの
「あー悪ぃ。『手違い』で、上位互換を呼んじまった。それと、○んだフリはよせ。もう二度と騙されんぞ?」
俺はクンッ! と、二本指を突き上げた。真下からの衝撃波で、トカゲは豪快に打ち上がった。フム?
「なんだ、落ちたり上がったり忙しいヤツだな?」
『お前がヤってるさかいッ! もー許してチョンマゲッ!?』
「待て待て、異界最強(笑)そうイキ急ぐな。まだ『送別会』は、始まったばかりだぜ?」
その後も、熱烈な『送別会』は続いた。上空と地上を派手にバウンドしたり、風船のように膨らみプシューと彼方までぶっ飛んでいったりした。もちろん、スグにとっ捕まえたが。
『ワイは○んじまっただぁ~ワイは○んじ……』
「なんでやねん(゜゜;)\(--;)」
ラリってるトカゲもどきに、俺は突っ込みを入れた。
「タクミ。盛り上がってるところ悪いけど、そろそろお開きにしない? もう私の気も済んだわ、ありがと」
「そうだな。ここまでボロ雑巾になったら、怒りを通り越して哀れみすら感じる」
『う"ぅ"……まーイキて帰れるだけヨシとしよう。あっザスッ……グエッ!?』
「待て待て、万物の頂点(笑)『主役』のお前が、まっ先に帰ってどーする? 最期に相応しい『サプライズ』があっからよ。アレ見てみ?」
トカゲは最後の力を振り絞り、俺が指差す頭上を見上げた。んでもって、目ん玉が飛び出すように顔面を崩壊させた!!( ; ロ)゜ ゜
『ななナナ……なんッスか、あの
「よく分かったな。お前のトラウマ、
トカゲはブンブンと、激しく首を横に振った。瀕死の割には元気だな。
『いやいやイヤイヤッ、遠慮しときマスッ! てか、モウ許して……』
「まーそう言うな。お前の為、丹精込めて創ったんだからよ。イキ先は『完全な無』だ。時間という概念すらないから、お前は『永遠』にその状態だ。なーんもない空間で、好きなだけイキり倒してくれ」
『い"やぁあ"ぁア"ア"ア"ア"ッッ!?!? イキたくナイッ、でも○にたくもナイッ!? ワイはどーすればエエんやッ!?』
どっちやねん。てか、こーいう奴ってなんで決まって同じこと言うんだ? 俺が指パッチンすると、トカゲはゆっくり『穴』に吸い込まれていく。
なんか掃除機で、
『このオニ"ッ、ア"クマ、ロクデナシ"ッ! ヒトの心とかナイんかいッ!? ワイはオマエを忘れんゾッ! 化けてデテ、なんナラ生まれカワって、怨み晴らすカラなぁアァああッッ!?!?』
うるせーな、永遠に『そのまま』だっつったろ? まーイヤでも、そのうち理解する。『穴』は粗大ゴミを吸い取ると、即閉じた。やっと静かになったな。
◇ ◇ ◇
『ここはドコ……? ワイはダレ……? イマ何時ナンプン……? ワイはイキてるの……? たしゅけてマッマ……クラいよぉ~コワいよぉ~ダレカここから出してクダさいよ、ねぇ? え"、そもそもお前ダレやって? んーモウどーでもイイや、カンガえるのもメンドクセ』
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