第18話 創作 vs 具現化
「――
俺は様子見がてら、いつも通り段幕を張る。牽制には、打ってつけのスキルだ。
大量の段幕を前にして、アリシアは微動だにしない。被弾直前に熱閃は全弾、
「なっ…………!?」
「どうも見くびられてるみたいね」
そーいや、空間に干渉できるとか言ってたな……厄介極まりない!
アリシアが
俺は
「本気を出しなさいな。死んでからじゃ遅いわよ?」
アリシアがパチン! と指を鳴らすと、虚空に無数の魔法陣が出現した! お約束通り鋭い
「――
俺は『切り札』の一つを切らざるを得なかった。範囲限定で、周囲の『時間の経過』を遅くする荒業だ。
当然、体への負担は大きく無闇に連発は出来ない。あくまで緊急回避用だ。アリシアは意外そうな顔で、俺を見つめた。
「ふぅん……? 今のを避けるんだ?」
「……俺をスカウトするんじゃなかったのか?」
「あー言い忘れてたけど、これは
そーいう事かい。
「……成程な。まー
「そう言わないでよ。私はタクミのことが気に入ったわ。初めて
そう呟くと、アリシアはゆっくりと垂直に上昇した。この予備動作は、定番だと『大技』くるよな……?
「だから……あなたを
アリシアが片手を頭上にかざすと、とんでもない
「クソ……!」
俺はまだ
「タクミっ、これを使って……!」
レティシアが、自らの剣を俺に投げ渡した! 俺が柄をキャッチすると、美しい刀身が光った。
「代々、我が王国に受け継がれている由緒正しき『聖剣』だっ! あなたの創作スキルにも耐えられるハズよ!」
確かに並みの剣ではないとは、手に取った瞬間に解った。おまけに装備しているだけで、活力が
「ありがてぇ……恩に切るぜっ!」
俺は切っ先を、頭上のアリシアに向けた。失敗は許されない……創作の真髄、見せてやるよ!
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