第7話 実家へご挨拶に
「貴文様、実家に連絡したら、母が晩ご飯を作って待っているからと言ってくれたので、シャワーを浴びて、一緒に行きましょう。」
「あ、そうなんだ。」
お義母さんは優しそうでも、お義父さんが怖いパターンもあるから、気を引き締めて行こう。
新婚さん気分で一緒にシャワーを浴びたけど、これからご両親に会うのでエッチは我慢した。
麗子さんと手をつないで歩いてご実家に向かうと、30分もかからず、家の前まで着くことができた。
そこそこ大きな家だったので、怖いお義父さんでなければいいなと思いながら、麗子さんに付いて玄関に入ると、麗子さんのご両親が玄関に出てきて、お義父さんの方から僕にハグしてきてくれたので驚いてしまったが、気の良さそうな人で安心した。
お義父さんとの長めのハグが終わると、次はお義母さんね。と言って、麗子さんのお義母さんが僕にハグしようとしてきたので、一瞬ドキッとしてしまった。
初めてお会いした麗子さんのお義母さんは、学園の至宝とまで言われた美少女の麗子さんを、そのまま大人の女性にしたような正真正銘の美女で、後で聞いたら、神崎瞳という名でいまだにモデルをしているそうだ。
「お綺麗なお義母様で、ドキドキしてしまいました。」
軽いハグが終わった後、微妙なセリフを吐いてしまい、お義父さんと麗子さんに冷やかされてしまった。
「私の妻なんで、気にすることはありませんよ。」
「私のお母さんなんだから、貴文様は気にしなくて大丈夫ですよ。」
食事中も、麗子さんはもちろんのことお義父さんもお義母さんも優しく接してくれて、幸せな家族の団らんを味わうことができてとても嬉しかった。
「貴文さん、もうこんな時間だし、今日はもちろん泊っていってくださるわよね。」
「僕からもお願いするよ。妻もこう言ってるし、君とはもう家族同然のように接しているから、いっそのこと、このままうちに住んでくれてもいいんだよ。」
「それはさすがに図々しいと思いますから、ご遠慮させていただきます。」
「いやいや、冗談で言っているわけではないんだよ。ここに同居することが、娘と付き合う条件だ。君も一人でバイトしながら高校に通うのは大変だろう?将来的に娘と結婚も考えてくれるなら、今のうちに、同居してくれると助かるんだが。」
「そこまで考えて下さっているとは思ってもいなかったので、先ほどの言葉は撤回します。失礼いたしました。お義父さまのご厚意にありがたく甘えさせていただくことにします。」
「そうか、よく決断してくれた。うれしいよ。それじゃあ大家さんに引っ越すことを伝えておいてくれ。引越業者は義父さんが手配しておくから、来週の土曜日でいいかな?」
「はい、じゃあ、それでお願いします。」
「よし、これで君と娘は婚約したようなものだから。気にせず堂々と一緒のベッドで寝て構わないからな。もし子供ができても、結婚が早まるだけだから、その点も気にしなくて大丈夫だからな。」
「はあ。ありがとうございます。」
なぜか、お義父さんが1番嬉しそうにしているのは気のせいだろうか。一緒に寝ていいなら、後で麗子さんに聞いてみよう。
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