私は弱い人が嫌いだった

水都suito5656

第1話  弱い人は嫌いだ

そうだよ、私の事だよ。

弱いから人に流される。人を傷つける


だから決意した


嫌なものは嫌だと言うんだ


だから大人との取引には応じない

たとえそれで進むべき道が閉ざされようとも

彼が差し出した飴は

約束された輝かしい未来

アイドルへの道 夢のような日々

それって毒薬だよね 


私の心を麻痺させる 

大切な人の心も壊す 危険物質だ


でもただじゃない

要求されたもの 

対価はその辺にあるなんてこと無いもの


私の体と心


ほんと、ただの小娘だよ私そんなに美人でもないスタイルだって普通だし


でもね

あたしは知っている。


それがどんな宝物よりも貴重だって事を!


この小娘の体は好きに汚されていいものじゃないって事を!


デビューするにはこれが必要

皆やっている?


何言ってんのよ!ばっかじゃない


相手に失うものは何も無い

こんな貴重なものだって、彼にとってはただの暇つぶしだ


あたしの未来と暇つぶしが同等なわけ無いじゃん!


でもそれを選ぶ地位にある、権力を持っている。

〇〇に刃物! 〇〇に権力もたせちゃ駄目なんだよ!

ろくなことに使わないからさ!


だからあたしは抗う

この体を守る為に胸を張っていこう


大局的に見たら分かる。もう少しやりようがなかったのかって。

多分あるんだと思う。


でも私は怒ってる この理不尽な世の中に。

だから ここまで。

私は。 あたしの人生は。ここまでだった。


「そうだ電話を忘れてた」


彼に電話しなくては。彼と言っても、つい最近両思いになったんだけどね。


でもだからこそ

私はこの心を守る


ばいばい

あたしは頑張ったよ

でもここまでだった


どうか


来世でまた会えますように


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