第33話 この可愛い❤️ゆんゆんにプロポーズを 💐
【ゆんゆんside】
私が一番欲しかった『友達』が出来た。
カズマさん、ダクネスさん、アクアさん。
きっと、アラシは私の一番欲しかった友達を作る為に私をカズマさんのパーティーに残したのだと思う。
もし、めぐみんがカズマさんのパーティーに残っていたのなら、私は遠慮して一人で旅をしていたかも知れない。
カズマさんのパーティー、私はパーティー皆から必要とされているのが嬉しくて、アラシのパーティーに合流することが出来なかった。
めぐみん、あるえ、ねりまき が本気でアラシのことを想っている中に飛び込むことが出来なかった。
そんな風に迷っている私にカズマさんが告白してくれた。
「 ゆんゆん、初めて逢った時、好きに成った……と思う。
それから、ずっと、ずっと好きだった。
女神エリスに誓ってもいい。
俺は、ゆんゆん一筋だ !
結婚を前提に付き合ってください !」
「え~、そこはエリスじゃなくて私、水の女神アクア様に誓いなさいよ ! 」
「うるさい、駄女神 ! 」
嬉しかった……私を必要としてくれる人が居る。
正直、アラシが私を本気で好きなのか、疑っていた。
族長であるお父さんに頼まれて渋々、私の婚約者に成ったのではないだろうか ?
「カズマさん……アクアさんやダクネスさんを差し置いて私で良いのですか ? 」
三人とも顔を見合せて、
「ナイナイ、駄女神やドM
「冗談でも止めてよ、ゆんゆん !
ヒキニートなんて、ごめんだわ !」
「 これでも一応、貴族なのでな。
出自の怪しい男とは結婚出来ないのだ、ゆんゆん 」
三人が顔を見合せて、取っ組み合いのケンカを始めてしまった。
「おい、ゆんゆん !
本当に、この男だけは止めた方が良いぞ !」
「ダクネスの言う通りよ、ゆんゆん !
なんなら、私がアクシズ教の子から見繕うわよ ! 」
クスクス、私は笑ってしまう。
本当に欲しかった者が、このアクセルの街で手に入った。
「
私はカズマさんのプロポーズを受け入れた。
さようなら、私の初恋。 さようなら、アラシ
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
【魔王の娘side】
恐怖に駆られて、テレポートを使い一人で逃げてきた魔王の娘である私。
ハァ、ハァ、 息を切らしながら残してきた魔王軍、部下達を思うが、おそらくは……
とりあえず、城に戻り出直しを考えていた時、何者かがテレポートしてきた。
「きっ、貴様は ! 」
あの紅魔族の少年、アラシが私の行き先を塞いでいた。
何度も紅魔族の集落を襲うも退かれ、何時からか参戦して来た紅魔族の少年に興味を持ち、暗部に調べさせていた。
「フッ フッ フッ、知らなかったのか ?
紅魔族からは逃げられないことを ! 」
まるで、
突如、クルリと私に背中を見せて魔王城の方に、
「
空が急に暗くなり……沢山の岩が空から魔王城に降り注いだ。
「付いているな、
何だ、コレは ! 何だ、コレは ! 何だ、コレは !
何だ、コレは ! 何だ、コレは ! 何だ、コレは !
何だ、コレは ! 何だ、コレは ! 何だ、コレは !
何だ、コレは ! 何だ、コレは ! 何だ、コレは !
魔王城が、魔王城が、どんどん瓦解していく。
この離れた場所に居ても、城に居る魔族の悲鳴が聞こえてくるようだ !
これでは、どっちが魔王か分かったモノではない !
やはり、父である魔王が言ったことを守らなかった罰なのか !?
紅魔族にケンカを売っては成らない !
紅魔族の少年、アラシの魔法が終わる頃には、魔王城は瓦礫に成っていた。
傷だらけに成った父、魔王と紅魔族の少年アラシとの間に相互不可侵条約が結ばれた。
これで、魔王国と紅魔族の集落は条約違反が無い限りは互いに攻め込むことは無いだろう。
ただ、魔王国の復興の為に、しばらくは人間の国と戦争が出来ないのも事実。
あの紅魔族の少年アラシなら、このまま魔族を滅ぼすことが出来るはず !
好奇心に負けた私はアラシに質問した。
「理由は簡単だ !
魔王、魔族を滅ぼしたら、人間は人間の国同士で戦争を始めるからだよ。
人間共通の敵である魔王や魔族が居る限り、人間の国同士で争うなんて愚は犯さないだろうさ !
人間は愚かだからな……そこが、たまらなく愛おしい存在でもあるんだがな !」
……この男、本当に人間か ? まるで神のような言い方をする。
ますます興味を持った紅魔族の少年アラシ、私は両国の条約の為に紅魔族への人質に立候補した。
もっと間近で、このアラシを見ていたい……
父である魔王は、渋々ながら承知してくれた。
クッ クッ クッ、必ず
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