　迷い込んだダンジョンで仮面を手に入れてなんとか戻ってきた駿は人気マイチューバーであるフラワーズが仮面を装着していた自分の正体についての考察動画を投稿しており、更にその動画に女性仮面配信者であるホワイトペインターも出演し、駿と同様仮面を装着している為、仮面について語り始める。

「仮面の額の記号からダンジョンで入手したと私は考えているし、仮面の主の周りに他の同行者もいなさそうだしドローンカメラも用意していないし、映像を拡大してもカメラを装着している様子はなさそうね」

「うーーーん、ローズ君とホワイトペインターさんの考えは一致しているようですが、もしかしたらその仮面だってホワイトペインターさんを参考にしたかもしれませんし、記号も加工したかもしれませんし、後でダンジョン探索動画を上げる可能性もあると僕は思いますね」

「ちょっとダンディライオン君、いくら何でもホワイトペインターさんはともかく僕に失礼でしょう！」

「いや、普通そこ逆だろう！何言ってんのローズ君！」

　漫才コンビのようなやり取りが人気の秘密でもあるフラワーズのやり取りに駿は笑いそうになるが、2人にホワイトペインターが声をかける。

「まあ、落ち着いて2人共、私は気にしてはいないし、ダンディライオンさんの考えも一理あると思うわ」

「ちょっとホワイトペインターさん、こいつ甘やかすと調子乗るし、女の子に優しくされると惚れっぽいんだから止めといたほうがいいですよ」

「もう、お前黙ってろ！お前がいちいち口を挟むとややこしいんだよ」

「と、とりあえず私の考えは伝えたわ。それじゃあこれで失礼してもいいかしら？」

　戸惑いながらもホワイトペインターはそろそろ自分の出番は終了なのではないかと主張し、その主張にローズが返答をする。

「あ、そうですね、ここまでホワイトペインターさんでした、ありがとうございました」

「ありがとうございました、ご覧の皆さん、私はこれで失礼します。それからもし仮面の主さんが視聴していたらお伝えしたい事があるわ。あなたがいつか配信するのを楽しみにしているから、それじゃあ」

　ホワイトペインターがそう発言し、ディスプレイの映像が途切れ、この時刻にホワイトペインターの出番は終了した。

「いやあ、とんだ公開逆プロポーズでしたね」

「いや、どう考えても宣戦布告だろう、そもそも男女だって不明なのに」

「ダンディライオン君、君は女心というものを分かってないね、だからもてないんだよ」

「うるせえ！この……」

　フラワーズのコントのようなやり取りを気にしつつ、駿はホワイトペインターの言葉が気にかかり、決意を固めつつあった。

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