第2話 地下鉄

彼は側近と地下鉄の吊革にぶら下がっていた。

官邸へ向かう。

車内を見渡す。

小綺麗だな。

彼は呟いた。

我が国には及びません、同志。

側近は胸を張る。

次に広告に目を走らせる。

派手だな。

奴らが堕落している証拠です、同志。

側近の言葉をよそに、物思いに耽る…。

やがて車両は官邸の最寄駅に滑り込んだ。

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