第12話 眼科の再受診

後日、日を改めて眼科で検査をした。

栄養管理の入院もしたし、1カ月位は間が空いてしまったけれど。


今回は前みたいにならないように、準備をしていったけれど、さすがにもう吐かなかった。たぶんあの日は、その前にも診察を受けたりしたから少し疲れていたんだろうな。


検査が終わったあと、先生から結果を聞いた。


「キヨトくんは強度の近視です。乱視もありますね」


「じゃあ、今はほとんど見えてないんですか?」


「そうですね。この視力だと人の顔や物の輪郭がボヤケてほとんど見えてないと思います。光や色が判る状態でしょう」


そうそう。僕、光や色は判ってたからね。先生、よく分かってくれてる。


「眼鏡をかけさせれば見えるようになりますか?」


僕もそれを聞きたかったんだ。


「はい。問題なく見えるようになると思います」


見えるって言ってもらえた。嬉しいなー。視力は麻痺と関係なかったんだ。僕は心の中で大喜びだった。


表情や喋ることで伝えられなくても、文章で伝えられたら、僕がこんなにも嬉しくて、こんなにも楽しみに思ってて、母さんにも先生にもこんなにもありがとうって思っている気持ちとか全部表現できるかもしれないんだ。


そしたら最高だな。僕も一応色々考えたり感じたりしていて、知的障害じゃないってことも説明できるしね。


それに、他にもいっぱい伝えたいことがあるんだ。まだ、夢への第一歩だけど、とにかく嬉しいなー

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