じゃっ 夏なんで

ノーネーム

第1話 プロローグ

ある年の夏。

駅のホーム。幼い少年と少女が会話している。

「楽しかったね。──…」

「この町で過ごした一週間、俺も忘れないよ。」

「ねぇ、もう一回会えたら、その時は結婚しようよ!」

「きゅ、急だな。いいよ。わかったよ。」

「ほんと⁉絶対だよ!」

「おう。約束だ。」

二人は指を切る。少年は列車に乗り込んだ。

少年が手に持つ音楽再生端末が、新しい曲を再生する。

その曲のタイトルになぞらえて、少年は少女に言った。

「じゃっ 夏なんで」

列車は走り出す。

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