第8話 情報の省き方

ユウキ「今回は短編を書くうえで大事な事。情報省きについて解説だ!」

アリス「短編は文字数が限られていますからね」

ユウキ「早速省くべき情報を紹介だ!」


・当たり前の日常を省く


ユウキ「前回までに紹介した通り、短編とは非日常か細かい日常を書く事だ」

アリス「はい。その為の手法を、前回までに教わりました」

ユウキ「逆に言えば、書くことはそれだけなんだ。それ以外の事は徹底的に省く」

アリス「ふむ……。それ以外の事とは?」


ユウキ「それは当たり前の日常。つまり主人公が気にも留めない事だ」

アリス「当たり前の日常とは?」

ユウキ「例えば普段使っているカフェ。その内装とか気にした事ないだろ?」

アリス「確かに。改めて気にする様な事ではありませんね……」


ユウキ「こう言った主人公にとって当たり前な、風景描写を省くんだ」

アリス「なるほど……。他にも自分の服装とかもありますね……」

ユウキ「短編では”動き”が重要で、見た目はさほど重要じゃない」

アリス「でも長編では、詳細な描写がされている事もありますよ?」


ユウキ「長編は長くそのキャラと付き合う必要があるからな」

アリス「なるほど。短編は一度きりだから、そこまで見た目は必要ないと」

ユウキ「その辺は読者に委ねて良いと思う。大事なのはどう動かすかだ」


・主人公が注目しているもの以外を省く


ユウキ「これは日常を描くタイプの短編で有効だな」

アリス「注目している以外のものとは?」

ユウキ「缶詰の例えで行くと、缶詰をどこで買っているかとかだな」

アリス「スーパー、コンビニ。色々ありますね」


ユウキ「でもどこで買うかは重要じゃない。大切なのは、缶詰の選び方だ」

アリス「店の情報を省く訳ですね」

ユウキ「他にも何処で食べるかとか。缶詰を空けてとかも省ける」

アリス「余計な動作、当たり前を徹底的に排除する訳ですか」


ユウキ「主人公が集中して見ている事。それ以外は全て無駄と言っても良い」

アリス「難しそうですね……。短編なら非日常を書く方が初心者向けです」


ユウキ「とまあここまで、何を省けば良いか、解説した」

アリス「当たり前と重要でない事を省けば良いのですね」

ユウキ「問題はここから。必要か不要か、判断力を上げる方法が必要だ」

アリス「確かに。基準は分かりましたが、当てはまるか確認しないといけません」


ユウキ「ここから先はいつも通り、特訓の仕方を紹介だ!」

アリス「よろしくお願いします」


ユウキ「マインド役者と言う方法が、有効だぞ」

アリス「なんですかそれ?」

ユウキ「心の中で役者。つまり主人公になり切る事だ」

アリス「実際の役者と何が違うのですか?」


ユウキ「普通の役者は、風景を実際に見ている訳だ」

アリス「それはそうでしょう。撮影が必要なのですから」

ユウキ「マインド役者は風景すら、自分でイメージする必要がある」

アリス「確かに。架空の風景を書く必要があるのですから」


ユウキ「心の中で主人公を演じ、その視覚を共有するってやり方だ」

アリス「大体分かってきました」

ユウキ「その中で自分が注目しているもの。それだけを描写するんだ」

アリス「難しそうですね……。全てイメージですから」


ユウキ「誰だって最初は上手くいかないよ。俺だってまだ完璧には出来ないし」

アリス「この時感情とかも入れると、長編でも役立ちそうですね」

ユウキ「うん。それは間違いないと思う。でもまずは短編を書くことに意識を向けよう!」


アリス「ちなみにこれって、どうやるのですか」

ユウキ「目を瞑ってひたすらイメージだ。ハッキリ言って脳が疲れるから、休日に一気にやるのがおすすめだ」

アリス「イメトレは脳力を使うと聞いた事があります」



ユウキ「今回までで大体の書き方は、紹介できたかな?」

アリス「これで短編が書けるのですか?」

ユウキ「ここからプロットとか、あらすじとか色々必要だけど、まあ大体な」

アリス「初心者がいきなり手をだしてはいけない、領域でしたね」


ユウキ「ただ短くまとめるのも難しいから、最初は前編後編や3,4話くらいに別けるのもおすすめだ」

アリス「短編と言っても、書き方は色々あるのですね」


ユウキ「次回は今まで紹介した事を踏まえて、実際に短編を作ってみよう!」

アリス「ユウが普段やっている工程を、紹介する訳ですね」

ユウキ「あくまで俺のやり方だから。参考にして、自分なりのやり方を見つけてくれよ!」


ユウキ「それじゃあ、みんな! 次回も宜しく!」

アリス「お願いします」

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