知らなかったけど私はもうすぐ死んでしまうようです。

水都suito5656

第1話  あたしあと10分の命らしいです

ねえ知ってた?


あたし知らなかったよ

だって今聞いたんだから!


これって酷くない?

死神の職務怠慢だよね。


*


ひとしきり文句を言った。

まあ何も変わらないけどさ。


残された時間は10分位あるかなぁ・・・



うん。

実に中途半端な時間だ。


お風呂に入ってスッキリするにも、昼寝するにもご飯食べるにも。



何もしないよりはいいかなとあいつの所に電話をかけた。

・・・

・・・通話中って


はぁ


落ち着け私


最後までついてなかったなぁ


なかなか繋がらない あと3分しかないぞ、おい急げよ!


残り2分


もうカップ麺すら食べらんないよ 。


残り1分


でもあたしらしい結末だな。笑えてくるよ。


部屋を見回してお世話になりましたと深々と頭を下げる。


残り5秒


あ、繋がった


通話ボタンを押し、大きく息を吸い込むと


「早く取れよ!好きだったよ!」

「えっ!!」


やっと言えた。


うすれゆく意識の中で


あたしは笑ってた。

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