第10話 SSMの応酬

5月4日早朝


 最初の海戦は、夜明けとともに始まった。


「撃て!」


 アルノシア公国海軍に属する6隻のフリゲート艦は、隊列を組んで接近し、そして四連装発射筒より17式艦対艦誘導弾を発射。24発のミサイル群がベーダ艦隊に迫る。


「アルノシア艦隊より、ミサイルの飛来を確認!」


「迎撃せよ!」


 対するベーダ艦隊も、前に出て迎撃を開始する。フランス製のアキテーヌ級駆逐艦の甲板より、アスター艦対空ミサイルが矢継ぎ早に放たれ、低空を迫る対艦ミサイルへ接近。何発かを叩き落とす。


「反撃だ、撃て!」


 ベーダ艦隊も、攻撃を開始する。エグゾセ艦対艦ミサイルが一斉に発射され、アルノシア艦隊へ飛来していく。


「各艦、迎撃せよ」


 ESSM艦対空ミサイルが発射され、同様にエグゾセを叩き落す。まさにそれは、ミサイルの応酬であった。

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