プレバト俳句の添削ノート 第1話、第2話を書きました 

滝口アルファ

第1話 プレバト俳句(2023年11月2日放送)について

今回もプレバト俳句を楽しく拝見しました。

今回のお題は「夜更かし」。

簡単そうで、意外と難しいお題だったと思います。


さて、今回、私が気になった俳句は2句。

まずは屈辱の最下位(20点?)に選ばれた、

和牛・水田さんの俳句を見てみましょう。


暗がりで骨の秋刀魚が睨んでる


個人的には、好きな俳句です。

このままでもいいかなと思いましたが、

夏井先生は次のように添削されました。


夜の皿や骨の秋刀魚の目が白い


夏井先生は、というか俳人は、

写実的な作風を好む傾向があるようです。

たしかに、こう直されると、

場面がくっきりと浮かんで、

骨の秋刀魚の恨みもじりじりと感じられます。

しかし、私は、もっとシュールでもいいのでは?と思いました。


満月や骨の秋刀魚が踊り出す


漫画チックですが、擬人法ですが、

「満月」と「秋刀魚」が季重なりですが、

私は、食べられた秋刀魚の恨み(無念)よりも、

人間の栄養になってくれた

秋刀魚への感謝(供養)を重要視して、

上記の添削例を考えてみました。

こうすると、

まるで満月の夜に日本中の骨の秋刀魚が踊り出すフェスのような、

楽しさが感じられないでしょうか。


次に、

永世名人のフルーツポンチ・村上さんの俳句を見てみましょう。


夜食喰うもうない王朝を覚え


夏井先生は、この句を褒めていましたが、

私は、リズムの悪い句だなと思いました。

「王朝」が句跨がり、さらに最後が「覚え」で言いさし。

何回読んでも心に響いてきません。

ですから、私は、次のように添削してみました。


A 夜食喰う消えた王朝覚えつつ

B 現存しない王朝覚えつつ夜食

C 滅びたる王朝記憶する月夜


添削例A。

「消えた」と、はっきり表現することで、

王朝というものの儚さを薫らせてみました。

これは、いちばんシンプルな添削でしょう。

添削例B。

「もうない」という安易なフレーズを「現存しない」に変えて、

さらに語順を逆にして、

最後に種明かしの「夜食」が出てくるパターンにしてみました。

こうすると、

最初が7音になって、

7・7・5のゆったりとした味わいの俳句になって、

受験(テスト)勉強で夜更かししている姿が、

ありありと浮かび上がってくると思います。

添削例C。

「覚え」る、では、今ひとつ真剣味が足りなく感じます。

ですから、ここは、「記憶する」と表現したほうが、

「滅びたる王朝」が、

より鮮明に、

読者の脳裏に立ち現れて、

より鮮明に、

読者の心に刻み込まれるように思いました。


今回は、以上です。







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