第28話
「そういえば、今日は日食であったな」
オゾウクが、ガラス越しに映る太陽と月に向かってそう語る。日食、何年かに一度訪れる太陽と月が重なる日、かくいう俺も何回かしか見たことはない
「魔王の城って所に勇者はいる。でも確か魔王の城って。」
魔王の城間近のところで急ブレーキがかかる。全員が転びそうになるが、オゾウクは体感でどうにかしていた
「なんだ!?どうした!?」
外を見ると、大量のネメシスがはびこっていた。
「ネメシスのせいで、進めないのか?」
そんな訳はない、この船はそんなにやわじゃない。そこにリヒターが、答える
「ネメシスは、どうにかなるがもしかしたら魔王城のバリアか?」
リヒターが、ドリルマガンに乗り込み外へ出た。にしても魔王の城のバリア?
「ここからじゃわからぬ仕方あるまい、鋼殿我らも出撃でござる」
カットリは、めにも止まらぬ速さで、船の中を移動した。俺は足が遅いので少し遅れて発信した。
「あれが魔王の城だろ………」
魔王の城らしき浮いている城には、六角形や五角形の薄い板が周りに円を描いており。サッカーボールめいて浮いていた。
「あからさまに、バリアだな」
バリアを、眺めている暇ではなかった。大量のネメシスが船に向かいビームやらなんやらを放っている
「バリアで守られている以上、我らの船を守るのが先決だ」
リヒターは、そう言いつつドリルで数十匹のネメシスを片付けていた。やっぱり強いなあのひとは、でも
「いくら守られているとはいえども、壊せばいいんだよ!」
そのままアームマシンガンを、そのバリアに叩きつけると、着弾地点に煙が舞い上がった。
「やったか?」
決まり文句をいってしまったからだろう、効果は薄く逆に傷一つついていないバリア
「うそだろ?うぐっ!」
よそ見をしていて、攻撃をもろに食らったしかし、前を見てわかった。勇者は外道だ。
「そのAOは、お前が乗っていいもんじゃない!!」
ネメシスの、触手が見え隠れしていた。ボディもネメシス由来の皮が張り付いていたが、1つわかるあれは、テンパランスだ。
「やはりか、我がやつの死体を発見したときにはもうあの森にテンパランスはなかった。」
そう、リヒターは回線をつなぎ俺に説明した。だか俺にはそれはあんまり関係ないことだ。メギは死んだそのAOを奴らが使うのは、殺した当の勇者の、やつが使うのが許せない!!
「シャイニングビームχかい!!」
今日は日食だ。うまいこと最初からビームをためていて良かった。これで
「フロントファイヤー」
渾身の必殺技を、相手に受け止められた。はずだった。しかし眼の前には、半壊したテンパランスが、存在していた。
「あっ?えっ?倒したのか?」
テンパランスのくせに弱すぎる。メギだったらもっと………そうかそういうことか
「俺はあの時テンパランスに負けたんじゃない、メギに負けていたのか」
そうだ、もしもテンパランスではなくもっと強いAOであったら勇者にも勝っていただろうしかし、そうはならなかった。
「俺はまだ、あんたには勝てそうにないな」
テンパランスは、倒したしかしまだバリアは残っていた。
――――――――――――――――――
戦艦内部
戦艦内部には、ワシともともと乗っていた。国民が乗っていた。
「バリアの発生源が、わかりました!」
「よし画面に映すのじゃ」
画面には、魔王の城内部に、熱源反応が濃く出ている場所が確認されていた。そうかあれがか
「バリアの強度は、これは」
その画面には、リヒターのドリルが、すこしのヒビを入れている様子が映し出された。
「ふん、この船を守ると言っておったのに、まあいい」
あの時、ワシは魔法使いを守れなかった。それがもしも今回の騒動につながっているとすればやるべきことは決まっている
「戦闘員は、奴らの援護をしてやれ」
それは、この船に乗っている全員のことだった。ほとんどの民は、戦いにおもむくき、外へと出た。しかし
「エゾッコ何を、している」
そこには、エゾッコが唯一人残っていた。やはりか
「あんさんが、やろうとしていることなんとなくわかりやす。初めてのダチのわがままに付き合いますよ」
何をやろうとしているのか、もしかしたらこいつにはバレバレだったのかもしれんな
「良かろう向かうべきは、あのバリアじゃ」
―――――――――――鋼の場合
さっきまで動いていなかった。キングダイエンペラーの船形態が、いきなり動き出した。
「あれ?なんで動いて」
その時だった。通信が入ってきたのは、
「今回の騒動は、きっとワシにも関わりがある勇者にもあの魔法使いにも今できるのは贖罪のみ」
あいつなにするつもりだ……俺は気がついていなかった。船に乗っていた奴らは今AOに乗って戦っている。つまりあそこにいるのは
「さらばだ。あとは頼むぞ鋼」
キングダイエンペラーは、そのまま城のバリアと激突し爆発した。計算通りだったのだろう、壊れたあとにはバリアの発生源らしき本があった。
「なんで」
言ったはずだ。お前が死んだら、民は国民はどうなるって、なのに、なのに!
「行きなさい鋼!」
ミスカの声が後ろから聞こえる。どうやら来たようだ。
「あの王様は、あんたにすべてを託した。だったら行くしかないでしょ!」
大量のネメシスが、俺の前に現れたしかし、
「菊一文字こんな事言いたくないにごザルがお主が、やらなきゃ誰もできんその力魔法が効かないがなければ奴とは対等に戦えないにござる」
やっと俺でも、できることが見つかったのか
「勇者待ってろよ!!」
俺は、涙ぐんだその声で、魔王の城内部に向かった。
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