君の命が尽きるまで

@saya1010

第1話 神巫まなかについて

 「神巫さんの娘さんは、20歳まで生きられるかどうかというところです。」


 私は神巫まなか(かんなぎまなか)16歳。今は体の調子が悪く一年前からある大きな病院で入院生活を送っている。お父さんは仕事の関係で病院に来ることは少なく、お母さんがよく私の看病をしてくれていた。そして幼馴染の獅子晴人(ししはると 16歳)もよく学校終わりに病院に寄って私の顔を見に来てくれていた。


 私は生まれた時から体が良くなかったらしく、始めは幼稚園に通っていたが良く体調を崩すことが多く良く早退していたことをよく覚えている。その後小学校、中学校と進学したが体調が治ることもなくあまり学校に行けていなかった。


 幼稚園の頃から一緒で家も隣にある、幼馴染の獅子晴人(ししはると)はよく私が体調を崩した時に家にお見舞いに来てくれていた。晴人は学校では人気者で運動も勉強もなんでもできる人で私とは真反対の存在だった。始めは「そんなにお見舞いこなくていいよ」とよく言っていたが、晴人がお見舞いに来るのをやめる気がなさそうだったので今はもう何も言っていない。でもなんでそこまで私に構ってくれるのか私にはわからなかった。


 私は小学校、中学校をなんとか卒業した。体調が治らず高校に行けそうになかったので今は病院で療養していた。晴人は医者になるために専門学校へ入学した。勉強も忙しいだろうに頻繁に私のお見舞いに来てくれていた。


 「まなか、今日体調どう?」

 「うん、今日はなんともないかも」

 私は、腹痛や頭痛といった症状が酷く出るため授業に集中できないほどの痛みが毎日続くこともあった。今日はそこまで痛みを感じることはなかった。


 「そうか、まあ無理するなよ。また退院できたら一緒にまなかが行きたいとこたくさん行こう!」

 「うん。そうだね」 

晴人はいつも私が退院できた時の話をしてくれる。でも私は本当に退院できるのか不安になっていた。このまま治らなかったら、、という不安に毎日かられていた。でも晴人の前では笑顔でいようと決めていた。


 「まなかは退院した後どこに行きたい?」

 「んー、私お花がたくさん咲いてるところに行きたい!」

 「じゃあ退院したら行こう!一緒に!」

 「うん!」

 私も晴人もいつか退院できるとその時は信じていた。


 お医者さんからある言葉を聞くまでは。。。

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