風穴

 あなたの話をするのは、暗黙の禁忌となった。それがどんな形であれ、無理矢理片割れを剥ぎ取られたわたしには、耐え難い傷跡が残った。


「でも、それって、あなたを腫れ物のように扱うということでしょう?」


 ……ああ、そうだね。だけど厳密にいうと違うな。これはね、風穴だ。わたしたちのつながりは表面だけではなかったみたいだ。あなたが奪われて、わたしの胸には痛々しい風穴が開けられた。もう十年も経つのに、未だ傷は癒えず、だくだくと血が流れているんだよ。


「許せないわ、わたし。あなたをそんなふうにしてしまった人を」


 それは、あなた自身が自分を許さないということ? それともあなたを魔女だと糾弾して殺した教会?


 ……うん、わかってる。わたしの中のあなたの形をしたわたしで自らを慰めているだけだから、あなたがこの問に答えないのを。まだそこで、あなたの形を保っていて。この傷が癒えるまで。



心に開いた風穴の痛々しさが消えるまで、貴女のことは、

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