第4話 おまえ、アレだろ?

「白鳥って……ドМ?」


 身もふたもない。もう少しオブラートに包めないもんか。いや、確かに芽衣はその傾向にある。


 芽衣は童貞な俺に色々されたいらしい。言葉責めなんて序の口。


「あのな、彼女の性癖に口出ししないで」


「あっ、ごめん。でも、私もそうかもよ? ねぇ、実は私もМっ気あるかも! ねぇ、やってみてよ同じこと!」


「嫌だよ、神楽坂に頼めよ」


「わかった。今から『まいん』して優斗がって言いつけて――」


「強迫」


「白鳥に出来て私に出来ないってことないてしょ! さぁ、ヤッて!」


 なに童貞宅でシャワー浴びて「ヤッて!」なんて言ってんの? もう、内心発狂寸前だけど。


「わかった。はぁ……面倒くさい。もう、いいからサッサと帰れよ、ビッチか? お前、ビッチだろ? 返事しろよ、ビッチ!」


「ビッチじゃないもん! ひどい、優斗! 優斗ってそんな子だったの? そんな意地悪言う必要ある⁉」


「えっ」


「えっ?」


「いや、同じのヤレって」


「あっ……私言いました……えっ、今の演技なの? 迫真! いや、マジビビった……大きい声では言えないけど、私きょう2度目よ、チビッたの。パンツ履き替えていい?(笑)」


「別にいいけど、ここで履き替えれよ」


「あっ……まだ続いてた〜ごめん、私Мっ気ないわ〜普通に腹立ってきた(笑)これ以上やるなら、表出る?」


 ヤレって言っときながら、表出ろって……逆にタチ悪いだろ。


 ちなみに水無月はパンツを履き替えなかった。まぁ本気でチビッたわけじゃないんだろ。


「でも、意外。白鳥ってあんな感じなんだぁ……なんかかわいい声出してたね『愛してる』だって! くぅ〜〜! 私も白鳥に言われてぇ~~!」


 とりあえず怒りのほこを収めてくれた。いや、なんで怒られないとなんだ? 疑問は残る。


「あっ、水無月。風呂場。アレ何アピールなの? ウチの親相手に泊まりに来ましたアピールされても困る」


「あっ! いや、アレね? 優斗嗅ぎたいかなぁ〜みたいな? ほら、泊めて貰うじゃない? お泊り特典みたいな? 現役JKだよ(笑) あっ、目が怖いよ、優斗。わかりました、片付けます〜〜」


 水無月がシャワーを使った風呂場には彼女のシャンプーやトリートメント、ボディソープなんかのボトルがならんでいた。


 親が見たらビックリ仰天だ。


 小走りで戻ってきた水無月。ある異変に気付く。


 いや、フランベとか、芽衣との電話があったんで気が付かなかったけど……こいつまさかの


「水無月。軽〜い質問な?」


「なに? 経験ないよ?」


「はぁ〜〜帰れ!」


「冗談よ、冗談! それでなに?」


「言いにくいんだけど、お前してないだろ」


「してないって言ってんじゃん!(笑) えっ、違うの?」



「だから、って」


「うん、寝る前しないもん、いつもだよ?」


「いや、‼ 家なんだから‼ ここ俺の部屋。ちなみに童貞な。お前ちょいちょい童貞甘く見てるだろ」


「別に甘く見てないよ〜~私だって、ね?」


「なにが『ね?』なんだ?」


「あぁ〜〜優斗さん、えっちい〜〜私の口から『処女』って言わせようとしてる〜〜引っかかると思う?」


「言ってませんか、今」


「はっ⁉ はめられた⁉ は、はかったな! 優斗!」


「いや、謀ってないし、はめてないだろ……えっと……水無月紫音は今日現在処女と……明日の朝はどうかなぁ……」


「メモるな! もう、ばかぁ……明日の朝って!(笑)」


 ん? いや、急にしおらしくなってベットに座らないで。なんかドキドキするだろ。


「あれ? なんで、優斗私がブラしてないのわかったの? 着替え覗いてた(笑)」


「はぁ〜〜」


「なに溜め息ついてんのよ、若いもんが(笑)」


「いや、じゃあ言うけど……お前、『ぷくっ』としてるんだって」


「その辺……?『ぷくっ』と?」


「だから! 胸の辺り!『ツン』としてるって言ったらわかるか? もう、ノーブラなのまるわかりなんだけど!」


「胸?『ツン』? 優斗ごめん、ちょっと待ってて」


 てってってーと階段を降りる。たぶん脱衣所で鏡見て確認してるんだろう。


「優斗! ヤバい! 私確かに『』としてる!『』まるわかりだよ!」



「おまっ、『先っちょ』言うな、『先っちょ』それでなんでそのまんまなんだ?」


「いや、もう見られたし……優斗ならいいかなぁって…あっ、痛て!」


 俺はベットのクッションを投げつけた。


「お前、泊めてほしいならブラでもキャミでもしてこい‼ もししないなら、5分後全裸にくぞ」


「ほほ〜〜っ、剥けるもんなら、剥いてみな……あっ、待って! まだ5分後じゃないよ! いや、着ます! 着させて! やめて、下から脱がさないで!」


 なんで、ノーブラひとつなおさせるのに、汗かかないとなんだ。


 こんなんじゃ朝までもたんぞ。


 ちなみに理性が。


 ***


「ねぇ、ねぇ、ねぇ、優斗〜〜こっち来てよ、友達の彼女でしょ? イチャイチャしようぜ、イチャイチャ(笑)」


 なんで、友達の彼女だからってイチャイチャするんだ。


 むしろしないだろ。いや、からかってるのはわかるんだけど。


 割りと、きわネタだからな。知らんぞいきなり襲いかかっても。


 水無月は我が物顔で俺のベットを占拠した。


 元々ベットは使わせるつもりだったからいいけど、冗談が過ぎる。


 俺は机にあるPCで小説の更新をしているのだけど、布団の中なのをいいことに、パジャマのズボンを脱いでズボンを「チラッ」とか見せる。


 もう、アレだ。襲っていいよな。完全に誘ってるよな。きっと芽衣も許してくれ……ないか。


 仕方ない。無視だ。


 本来ならサッサとリビングのソファーでふて寝でもしたいのだけど、どうしてもネット小説の更新をPCでしないといけない。


 部屋の明かりは消してある。


 出来ればとっとと寝て欲しい。だけど、そうもいかない。気付けば背後に水無月が立っていた。


「お前、まさか……パンツ一丁じゃないよな?」


 俺は万が一を考えて振り向かない。水無月が背後でクスッと笑った。気のせいか鼻に掛かる笑い方。まさかからかってる? じゃあ、パンツ一丁か⁉


「大丈夫よ、大丈夫! かわいいパンツだから」


「おまっ、いい加減にしろよ、マジで脱がすぞ……って履いてる」


「なに、優斗期待したり? えっちいんだから優斗さんは〜〜それよか、さっきからなにしてんの? ネットゲーム?」


「別にいいだろ。さっさと寝なさい」


「小説……読んでるの? ネットの?」


「もう、うっせぇなぁ~~書いてんの! 邪魔するならくぞ! 剥いたまま放置するぞ!」


「いや、待ってて……優斗いますごいことサラッと言ってない? 書いてんの? 小説を? 優斗が? マジ凄い……」


 

 □□□作者よりのお願い□□□


 読み進めていただきありがとうございます!


「次回投稿が楽しみ!」


「もう待ったなしだろ⁉」


「小説ってなに⁉」


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