第3話 絶体絶命……?

「距離……?」

 アリサは首を傾げた。

 男子生徒はどこかで見た顔だった。今朝、講義室で騒ぎになった時のことをアリサは覚えていた。確か「ロマン」と呼ばれていた気がする。


「そうだ。お前は槍、相手は剣。普通ならばリーチが長い武器の分、お前が有利だ。しかし、お前は簡単に距離を詰めさせてしまっていた」

 言いながら、男子生徒ことロマンが近づいて来る。手には訓練用の剣が持たれている。

「相手が距離を詰めようとした一歩目を狙え。さぁ、構えろ」

 ロマンは手にした剣の先をこちらに向ける。

「え……? えっ!?」

 戸惑うアリサを他所にロマンは踏み込んで来る。

 アリサは思わず槍を横に構えて受けの姿勢を取ってしまった。

「違う」

 彼は短く言うと、強く打つと見せて軸足を変えて素早く方向転換した。

 打たれると思い重く構えていたアリサは、急に軌道を変えた彼の姿を一瞬で見失ってしまった。

 次の瞬間には背後に回り込んだ彼の木剣の刃がアリサの背中についていた。

「剣は槍より短い。が、槍は手元に潜り込まれると小回りが利かず、剣より弱い」

 ロマンはアリサの身体から剣を離すと、そのまま背後に数歩退がって距離を取った。

「穂先を敵に向けて構え、踏み込む瞬間を狙え。もう一度だ」

 と言い、ロマンは武器を構える。

 促されるままにアリサは呼吸を整え、もう一度武器を構え直した。

 彼のブーツが地面を踏みしめる音がかすかに聞こえた。

(……ここ!)

 アリサは先に槍を前に踏み出そうとしたロマンの身体に向けて差し込む。

 攻撃しようと振りかぶっていた彼の身体は無防備となっており、いとも簡単に穂先が触れた。

「そうだ。そして、俺の方からはお前に攻撃が届かない。これが基本だ」

 武器が腹に触れると、ロマンは振り上げていた剣を下ろし、剣身をくるりと返して左手に持った。

「最もこれに魔術が加わるとまた勝手が変わる場合がある。頭に入れておくといい、アリサ・ブランドード」

「私の名前を知ってるの?」

 初対面のはずのロマンが、自分のフルネームを呼んだことにアリサは驚く。

 彼は可笑しそうに笑った。

「……お前、有名人だぞ。知らないのか?」

 アリサは羞恥心に顔を赤くする。

 悪い意味で、アリサは士官学校中の噂となっている。彼も例に漏れずその噂を耳にしたのだろう。

「まぁ、とにかく、部屋に戻ったら今の動きを思い出すんだな」

 ロマンは背を向けると、思い出したように「だから……」と付け加える。

「今日はもう引き上げた方が良い。疲れた身体では鍛錬も身にならない」

「うん、ありがとう」

 アリサはしおれた笑みを浮かべる。

「ところで……」

 と彼は話題を変えた。

「一つ聞きたいことがある。お前がここに招かれた時、皇帝陛下から招待状が届いたはずだが、覚えているか?」

「え? 覚えてるけど……」

「では、その封書に押された封印を覚えているか?」

 妙な質問に、アリサは不思議そうな顔をしながらも思い出す。

 確か、使用人が部屋に書状を持って来た。

 自分に届く手紙にしてはやけに立派で、わざわざ厚手の封筒に入れられていたのでよく覚えていた。

 しかし、何度思い返しても封印があったような覚えがない。

「封印? それは、無かったような」

 アリサは首を傾げて言った。

「……そうか」

 ロマンは少し顔を俯けて何か考えているようだった。

「アリサ、誰と話しているの?」

 訓練場の入り口の方から声がした。

 シエルがこちらを見ていた。どこで合流したのか、後ろにはルームメイトのマリアナも連れている。

「……気にするな。ただ、通りすがりに話をしただけだ」

「あ、あのっ!」

 ロマンは訓練場を去ろうとするが、アリサは思わず呼び止めた。

「……どうした?」

 ロマンは足を止めて振り返る。

「あ、その、自己紹介がまだだったから……。確かロマン、だったよね? よろしく」

「ああ、ロマン・スレスキナだ。また会おう。アリサ・ブランドード」

 と相変わらず何を考えているのか分からない無表情で言うと、ロマンは今度こそ訓練場を去って行く。

 入れ替わるようにシエルは妹の元へと向かう。

 妹と話していた男子生徒とすれ違いざまに視線が合う。

「……?」

 その視線にシエルは警戒感を示しながら、通り過ぎて行く彼を訓練場から出て行くまで見送った。

 男子生徒の姿が訓練場から消えて、シエルはアリサの方を向き直る。

「帰るわよ」

 と妹に言った。

 しかし、アリサは反応もせずに、彼が去った訓練場の入り口の方に視線を向けたままでいる。

「……アリサ?」

 呆れた顔でシエルがその視線の先に割って入ると、アリサは我に返った。

「あっ、か、帰るの?」

 アリサは慌ててうわずった声で言う。

「まだ訓練を続けたいなら、止めないわよ?」

 シエルは皮肉を言う。

「お姉様……」

 背後からマリアナがいさめるように声をかける。

「分かってるわ。冗談よ」

 シエルは渋い顔で言った。

 

 アリサは寮に戻ってシエルと別れると、疲れ切った身体を引きずるように廊下を歩いて部屋へと戻った。

 部屋に入ってすぐ右手の壁際にアリサのベッドがあり、奥の壁側にもう一つベッドがある。

 奥のベッドで昨日からのルームメイトが既に就寝の準備を整えて読書をしていた。

 部屋内は天井に吊り下げられた魔力灯で明るく照らされている。お陰で日が沈んだ後も本が読めるようだ。

 アリサが戻って来たことに気がついた彼女は本をパタンと閉じて顔を上げた。

 大きな眼鏡に子供のような瞳が印象的だった。背も低くく、やたらと幼く見える。

 頭の後ろに伸びる長い若葉色の髪は、日中見た時は二本の三つ編みだったが、既に解かれている。

「あ、おかえ……」

 と言いかけたルームメイトのアルマは、怪我だらけのアリサを見て驚いた顔で口をつぐみ、ベッドから飛び出して駆け寄って来た。

「どうしたの!?」

「あ、大丈夫だから……」

 とアルマとの間に隔てた手のひらまでも、打たれた場所がはっきりと分かるほど赤く腫れ上がっている。

「全然大丈夫じゃないよ、怪我だらけじゃない! ちょっとそこに座ってて!」

 アリサをベッドに座らせると走って部屋を出て行き、五分と経たないうちに戻って来た。

 手には薬液の入った瓶と布を持っていた。

「ごめんね。私に治療系の魔術が使えたら良かったんだけど……」

 言いながらアルマは、瓶の薬液を布に染み込ませてアリサの腫れた箇所に当てた。

「痛っ!」

 沁みて思わず声が漏れる。

「ご、ごめんね。でも、腫れがましになると思うから……」

 と言いながらアルマはアリサの服の袖を上げる。また別の赤い腫れがどんどん出て来る。

「酷い……。誰にされたの?」

 アルマは声に怒りを滲ませていた。

「違うの、訓練場で鍛錬をしてて……」

「こんな時間まで?」

 アルマは怪訝そうな顔で言いながら、アリサが着ている制服のコートのボタンを開いて行く。

「え、あの……なんで脱がせてるの?」

「だって、袖の中まであざとか腫れだらけなんだもん!」

 アルマはそのまま半ば無理やり服を脱がし、アリサは下着だけにされてしまう。

「ほら、やっぱり!」

 色素の薄い柔肌の上に幾つも膨れ上がる腫れあとを見てアルマは言う。

「は、恥ずかしいよ〜!」

 困り顔のアリサは、上半身を両腕で覆う。

 結局、そのまま少しの間、腫れた場所を二人して液に浸した布を当てていた。

 最初のうちは沁みたが、慣れて来るとひんやりとして気持ちが良かった。アルマの言う通り、腫れが少しましになった気がした。

「ありがとう……」

 アリサはぼんやりとした顔で言う。

 痛みが引き、心地よくなって来ると代わりに眠気が襲って来た。

「うん、気にしないで。でも、明日にはちゃんと医務室で診てもらった方が良いよ。きっと腕の良い治癒士の先生が居ると思うから」

 アルマは治療に使っていた薬瓶の蓋を詰めながら言った。

「あ、そうだ。私、アルマ・フォルバッハ。ヴァナヘイム共和国から来たの。よろしくね」

 そう言えば、昨日もシエルの部屋で延々と座学を教えられて遅くに戻った。アルマは既に眠っており、今朝は今朝でアルマが起きて来るよりも先に部屋を出て、シエルに連れられて士官学校の敷地内を案内してもらっていた。

 そのお陰で同じ部屋に居ながら、お互いにまだゆっくり自己紹介もしていなかった。

「よろしく。私はア……」

「知ってる! アリサでしょ?」

 アリサが言い終える前に、アルマは顔を輝かせる。

「あのシエルさんの妹なんだよね?」

「え、シエルを知ってるの?」

「うん! シエルさんは成績トップだからみんな知ってるよ!」

 自分の順位しか気にしていなかったアリサは初めてそれを知った。

 しかし、シエルなら当然のことのような気もして、それについてはさして驚きもなかった。

「それで姉妹で一位と最下位を独占したって、みんなが……」

 夢中で話すアルマの声が尻すぼみになり、気まずそうな表情でアリサを見る。

「あ……」

「……私、身体洗って来る」

 魂が抜けたような顔でアリサは立ち上がった。

「ごめんっ!」

 アルマがすがり付くように腕を掴む。

「あぁ、うん、大丈夫。怒ってないよ。もう、慣れてるから」

 アリサは振り返って自嘲気味じちょうぎみに笑うと部屋を出た。

 

 身体を流して戻って来ると、部屋の天井の魔力灯は消されていた。代わりに、部屋の端に置かれたサイドテーブルの上にあるランタンの小さな灯りがうっすらと部屋を照らしていた。

 アルマは、既に眠ってしまったらしい。部屋に小さな寝息が聞こえていた。

 アリサはふと、訓練場でのことを思い出していた。

 そう言えば、部屋で動きを思い出せと、彼は言っていた。

 アリサは目をつむって手に槍をイメージする。

 訓練場でロマンと向かい合った時を思い出す。

 彼が踏み込んで来る瞬間を思い描く。

 身体に向かって槍を突き出す。

「……戻って来たの?」

 不意にした声に驚いて目を開く。

 声の方を見ると、アルマが目を擦りながら枕元に置いてあった眼鏡をかけ直していた。

「あ、ごめん。起こしちゃった?」

 アリサは顔を赤くしてアルマを見る。はたから見たら部屋の真ん中で不思議な動きをしていたに違いない。

「大丈夫だよ。それよりさっきは本当にごめんね。私、無神経なことを言っちゃって……」

「ううん、本当に大丈夫だから気にしないで。シエルは、私と違って特別だし」

 アリサの表情が曇ったのを見て、アルマは慌てて別の話題を探した。

「あ! そ、そうだ! 明日、私の親友のヒルデグントを紹介するよ! 私と同じでヴァナヘイム共和国から来たの。きっと仲良くなれると思う!」

 アルマは明るい表情で言う。

「ふふ、楽しみにしてるね」

 アリサは笑顔に戻る。

 こんなところに来てしまいどうなることかと思ったが、少なくともルームメイトとは仲良くなれそうで安心した。

 

 翌朝。

 アルマと一緒に庭園を抜けて湖中央の校舎に向かった。早速、ヒルデグントと引き合わせてくれるようだ。廊下でその親友を見つけ、アルマは声を掛けた。

「ヒルデグント! おはよ〜!」

 女子生徒にしては長身の少女は、振り返ってこちらを見ると、はにかんだ笑みを浮かべる。

「おはよう。アルマ」

 落ち着いたブラウンのつややかな長髪が、差し込んで来る朝日に照らされて透けるように輝く。大きく開いたまぶたの中には磁器で作られたかのような美しい白に、エメラルド宝石のように澄んだ瞳が光彩を放っている。

 その端正な顔に浮かぶ微笑は、まるで一枚の絵画のような美しさだった。

 アリサは緊張して、思わず身を固くしてしまう。

「あなたの試験での活躍は聞いているわ」

 アリサに視線を移すと、ヒルデグントは悪戯っぽく笑う。

 こういう子供っぽい一面もあるらしい。アリサは急に親近感が湧いた。

「ああ、うん。よろしく、ヒルデグント」

 試験のことを言われ、アリサは恥ずかしそう赤面しながら言った。

「うふふ、冗談よ? 実は私もあまり成績が良くなかったの。似たようなものね」

 口元に手を当てて、くすくすと笑った。そんな仕草一つでも上品に見えた。

「私、ヒルデグントみたいに綺麗じゃないから。背も、小さいし」

 アリサは自分の体を見下ろして苦笑する。

「私、もっと小さいんだけど……?」

 気がつくとアルマが横目で睨んでいた。気にしていたらしい。

「あ! でも、ほら、アルマと同じくらいの背の子も居るよ? もっと低いんじゃない?」

 アリサは少々ご立腹のアルマをなだめようと近くを歩いている女子生徒を指差す。確か昨日、皇太子と口論になっていた外套がいとうの少女だった。もう開き直って外套がいとうを着るのもやめたらしい。指定のシャツとスカートだけで堂々と廊下を歩いている。

「あっ……」

 アリサは何かに気がついて声を漏らす。

 その女子生徒のシャツの袖がやけに余っている。

「ああ、もう……。これでも胸元が苦しいわね……」

 とぼやきながら大きく膨らんだ胸の部分を鬱陶うっとうしそうに引っ張る。どうやら胸囲に合わせてシャツをサイズアップした結果らしい。

 アリサは恐る恐る隣に視線を戻す。

 アルマの瞳は光を失い、幼児体型の自分の胸元を触りながら、恨みつらみの呪文をぶつぶつと唱えている。

「ア、アルマ落ち着いて! ヒルデグント! アルマが……」

 アリサがヒルデグントの方を見ると、彼女の視線は深く沈んでいた。

「容姿なんて、気にしなくて良いわ」

 ヒルデグントの表情に暗い陰が落ちている。

「国によっては美貌も呪いだと言われることだって、あるのよ」

「あの、ヒルデグント……?」

 アリサの心配そうな顔が覗き込んで来たので、ハッと顔を上げる。

「あ! ごめんなさい。気にしないで」

 ヒルデグントはまた、端正な顔に微笑をたたえる。

「とにかく、お互い頑張りましょう。最後まで残れるようにね」

「え? 最後までって……どういう意味?」

 アリサは首を傾げる。

「え……?」

 ヒルデグントは目を点にして見つめ返す。

「アリサ……知らないの?」

 アルマが隣から聞いた。まだ立ち直り切れていないようで、目元にはどんよりとした影が残っている。

「え? 何が?」

 アリサは聞き返す。

 アルマとヒルデグントは顔を見合わせた。

「半年ごとに成績下位五十人は強制的に足切りされるんだよ?」

 アルマが言う。

「えっ!? そ、そうなの……?」

 詳しい説明を受ける間もなく、とんとん拍子にこの帝都士官学校へ招致しょうちされたので、アリサはそれを知らなかった。


「ええ、そうよ」

 と少し離れた場所から声がした。振り返るとマリアナを伴ったシエルがそこに立っていた。

「激しい競争を勝ち抜き、帝国の優秀な士官を育成するのが、この帝都士官学校。私たち留学生はその競争をより熾烈しれつにするべく他国より招致される……」

 シエルはブーツの音を響かせながらこちらへ歩み寄ってくる。

「そして、留学生を輩出する国にとっても、世界一の大国である帝国の先進的な軍事教育機関に留学生を送り込むことは大きなメリットになる。大国同士の思惑が入り乱れた場所がここ、帝都士官学校なのよ。士官学校内の成績や状況は各国に可能な範囲で開示されている……」

 アリサの目の前でシエルは立ち止まる。

「ちなみに他国の留学生で、途中で脱落した生徒は帝都士官学校が始まって以来一度もないわ」

 シエルは鼻先がアリサにぶつかりそうなほど顔を近づける。姉妹で唯一似ている蒼白の瞳が睨んでいる。

よ」

 シエルは強調するようにもう一度繰り返した。

 アリサの身体は絶望感に震え、顔には冷や汗が浮かんでいる。

 今にもアリサの顔に噛みつきそうなシエルの肩を、後ろからマリアナが止める。

「お、お姉様……」

「大丈夫。わかってるわ」

 と言うと、シエルはアリサをじろりと見据えたまま、小さくため息を吐いて顔を離す。

「とにかく、お父様とお母様の顔に泥を塗るような真似だけは許さないわ。分かったら真剣に修練に取り組むことね」

 言いたいことを伝えると、シエルはマリアナと共に去って行った。

 残されたアリサは呆然と立ち尽くした。表情には色濃く絶望が浮かんでいる。

「ア、アリサ! 大丈夫だよ! まだ始まったばっかりなんだから、これから幾らでも挽回できるよ! ほら、一回目の『決闘』ももうすぐ始まるし!」

「え……? 『決闘』ってなに?」

 きょとんとした顔でアリサは聞く。

「それも知らないの!?」

 アルマは仰天する。

 帝都士官学校は、士官としての知識以上に戦場で活躍する一兵士としての能力を育成することを命題としている。

 「決闘」制度はその名の通り、生徒同士で行う一対一の戦いのことであり、もっとも実戦形式に近い対人の模擬戦闘とされている。

 武器こそ殺傷能力のない訓練用のものを用いるが、魔術の制限はないため事故が起こらないとは言えない。帝都士官学校ではこの「決闘」の勝敗が大きく成績を左右する。いくら戦術知識や戦闘ノウハウを学んでも実際の戦闘で使えないのでは評価されないということらしい。

 というアルマの説明を聞き、アリサは目眩めまいがして来た。

「せ、戦闘……?」

 魔術どころか武器の扱いも学び始めたばかりなのに実戦形式の戦闘という。

「見て、アリサ」

 ヒルデグントはいつの間にか二人から離れた場所に居た。ちょうどそこに全員の成績が張り出された掲示板が立っている。

「どうしたの、ヒルデグント?」

 アルマは掲示板の前に立つヒルデグントの後ろから聞く。

「ここ、見て」

 ヒルデグントは二人の前を退くと、掲示板の成績順位表の隣に貼られてある紙を指差した。何やら生徒の名前が連なっていて、一番上にアリサの名前があった。

“ルカーシュ・チェルベンカ 対 アリサ・ブランドード”

「早速、『決闘』の組み合わせが決まったみたい。アリサは全生徒の中で一番最初よ。日付は……」

 ヒルデグントが組み合わせの端に書いてある日付に目をる。

再誕節四月の十四日”

「今日が七日だから、ちょうど一週間後ね」

 とヒルデグントが振り返ると、顔色の悪いアリサがアルマに支えられていた。

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