第42話:開闢せよ、スイカフィールド!

地面が激しく揺れ、山脈が崩れ去る光景が目の前に広がる。巨大な爆発の衝撃が迫ってくる。


メロンナ姫は、爆発にひるむことなく立ち上がり、杖を天に向けて、詠唱を始めた。


「啓示せよ、宿命の果てに煌めく震脈しんみゃく

我が手に力を宿し、絶望に立ち向かう一瞬を刻め!」


メロンナ姫の詠唱が響き渡ると、その声は宇宙をも揺るがすような力強さを帯びていた。


その声に応えるように、スイカ・フィールドが輝き始める。まるで無数の星が煌めく宇宙のように、スイカたちは光り輝き始め、俺たちを取り囲むようにスイカの蔓が広がり、透明なバリアを形成し始める。


大地が揺れ、爆発の威力がさらに増していく中、メロンナ姫は詠唱を続ける。


「神秘の果実よ、スイカ・フィールド、メロンナ姫の歌詠うたよによって開闢せん!」


その瞬間、スイカたちから放たれる輝きが爆発に立ち向かう。まるで巨大な結界が地上を覆い尽くすかのように、スイカ・フィールドが広がっていく。スイカの蔓が伸び、大地を覆い尽くす。バリアの中は濃密な緑色のエネルギーが漂い、周囲の爆風や衝撃を和らげる。


爆風が逆に吹き返され、炎が消え去っていく。地殻を切り裂く力が次第に弱まり、大爆発は押し返されていく。


「大地を揺るがし、天空を照らし、命の絆を強く結びつけよ!

我らが意志と勇気をこのフィールドに注ぎ、絶対の防壁を築き上げよう!」


メロンナ姫の詠唱はますます力強さを増し、スイカ・フィールドは光り輝きながら、スイカの蔓を伸ばしていく。


巨大な爆発の衝撃がスイカ・フィールドに迫る。大地が割れ、山脈が崩れ、大海が渦巻く。


俺はメロンナ姫の手を固く握りしめ、スイカ・フィールドのための力を注ぎ込む。そのエネルギーがスイカの蔓を通じてバリアを強化し、俺たちを包み込む。


「響け、我らの誇りと絆の証! スイカ・フィールド、永遠の守護となれ!」


最後の詠唱が終わり、スイカ・フィールドは一際輝きを増し、絶大な力を発揮する。

次の瞬間、爆発の衝撃がスイカ・フィールドにぶつかる。大地が揺れ、バリアは激しく揺れ動く。


「メロンナ姫! 大丈夫か!?」

「大丈夫ですわ! スイカが守ってくれる。そうささやいていますわよ!」


そうだ。スイカは俺たちを守ってくれる。スイカ・フィールドの神秘的なバリアは爆風や衝撃を弾き返し、俺たちを守り続ける。


大海がはぎ取られ、山脈が倒れ去る光景が目の前に広がる中、俺とメロンナ姫はスイカ・フィールドの中で耐え続ける。


汗が額を滲ませ、力強さを増していく。スイカの蔓がさらに伸び、エネルギーが高まる。


やがて、爆発の衝撃が収まり、大陸の揺れも静まっていく。スイカ・フィールドのバリアは徐々に消えていくが、俺たちは無事に立ち続けることができた。


俺はメロンナ姫と共に息をつき、互いに力強く微笑む。


「よくやった、メロンナ姫。スイカ・フィールドを展開してくれてありがとう」

「ふふっ、これくらい、お安い御用ですわよ」

彼女もまた、喜びと疲労が入り混じった表情で応える。





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