第32話:最後の切り札

「なるほど、わが『黒破斬』の攻撃を防いだか……。だが、もう死にかけではないか!」

ドリアン王は傲慢に言った。


彼の言うとおりだった。


『黒破斬』の直撃を受けた俺は、衝撃の波が全身を襲い、俺は地面に叩きつけられるように倒れ込んだ。痛みが体中に広がり、息をすることさえ困難なほどだった。闇の力が俺の体内に侵入し、細胞ごとに蠢くような冷たさが身体を支配していく。


「うう……! ぐぐぐ!」

俺の体は痛みで痙攣し、筋肉が強張る。どんな動きもままならず、ただただ苦しみに身を委ねるしかない。傷口からは鮮血が滴り落ち、血液の臭いが漂ってくる。


「きゃぁぁぁぁ!」

メロンナ姫も同じく、悲鳴を上げながら地面に吹き飛ばされた。彼女の姿は無力さと絶望に満ちていた。傷ついた体は血まみれで、傷口からは血が滴り落ちていた。

彼女の顔は歪み、苦悶の色が浮かんでいる。吐息ごとに苦しみを表現するようなうめき声が漏れ、その様子は心を痛ませる。


全身の痛みがまるで鉄槌で打ち付けられるように感じられる。どんな呼吸も胸に突き刺さり、動くたびに身体が悲鳴を上げる。痛みの波が次々と押し寄せ、俺たちを苦しめる。


しかし、倒れている身体の中にも、闘志は消えていない。痛みに耐えながらも、俺は意識を集中させる。メロンナ姫も、痛みに押しつぶされそうな中でも、決意を忘れずに俺を見つめている。


俺が彼女に近づくと、彼女の手が必死に俺の手を掴んで離さなかった。その瞳には、強さと決意が宿っていた。


俺たちの肉体は、闇によって蝕まれ、ダメージを受けている。骨が割れ、筋肉が引き裂かれ、内臓が損傷を受けた。しかし、俺たちの戦意はまだ揺るがない。闇の力に屈することなく、立ち上がり、戦い続ける覚悟を持っている。


「メロンナ姫! 一緒に立ち上がろう!」


俺の声が彼女に届くと、彼女は強い意志を湛えた目で俺を見つめ、頷いた。


「そうですわ、スイカ太郎! このままでは終わらせないわよ!」


俺とメロンナ姫は固い絆で結ばれ、新たな力を呼び覚まそうと決意した。


「ふははははは! スイカ太郎よ、メロンナ姫よ。そんな姿でなにができるというのだ?」

ドリアン王は勝利を確信して笑い声をあげる。


「まだだ! 俺たちの手の中には、最後の切り札が残されている!」

俺はメロンナ姫と手をつないだ。


いよいよ、決着のときだ!

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