番外編「SPY×FRIENDS」

これは優希ゆうきつばさ風夏ふうか、こはるが初めて出かけた日の事である。


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どうも、新川舞しんかわまいです!

高校に入ってから兄貴の優希はモテるために無理してる気がする。

てか、兄貴はアホだ

昔から何かに熱中するタイプだけど前はギターが好きで良く弾いてたのにある時を境に弾かなくなった事もあったし。


それに兄貴はここ最近私の王子様、翼様と何やら企んでいるんだ


「おはよー、舞!今日は朝から出かけちゃうから!!」


「翼くんとだよね??」


「ん、そうだけど?」


「どこ行くの?」


「近くのショッピングモールだよ」


「それって私も一緒に行っても?」


「駄目だよ!今日は!」


むむ、怪しい!


「ふーん、そっか‥気をつけて行ってくるんだよ〜」


もしかして翼様との企みで誰かと遊びにいくんじゃ?


早速、栞菜かんなちゃんを誘って2人の1日をみはってやる‥


「もしもし栞菜ちゃん?」


「舞ちゃんから電話してくるなんて珍しいね!」


「あの〜今日って空いてたりする?」


「今日は予定何もないよ〜!」


「あの、暇だったら遊びいかない?兄貴と翼君が今日出かけるらしいんだけどなんだか怪しいんだよね〜」


「行く!!行くに決まってるでしょ!!秒で準備するわ〜」


「ありがとう!場所は多分トコトコタウンだと思うんだよね‥」



こうして、私と栞菜ちゃんのスパイミッションが始まったのである‥



「着いたね、トコトコタウン。」


「えぇ、あの2人はどこにいるんだろ」


「サングラスはした?」


「はい!」


「じゃ、向かいましょう。」


私達は店の中をウロウロした

そう、2人とも方向音痴なのである‥


「イマココドコ〜」


「マイチャンドウシヨー」


「あれ、これから始めるあなたとの1億回の恋って兄貴が最近よく読んでんやつ」


「優ちゃん学校でもこれよく読んでるよ!」


「とりあえずこの原画展ってやつ入ってみますか!!」


どうやら最近話題の少女漫画の原画展がやってるらしい。


「舞ちゃん、舞ちゃん」


小声で私を呼ぶ声が聞こえた


「どうしたの栞菜ちゃん?」


「あ、あ、あ、あれ‥」


「え??!?!?」


ついに兄貴と翼様を見つけたのだが、なんと2人と一緒にいるのは私も通ってる学校のマドンナ、朝比奈あさひな先輩と良くみんなが話してる憧れの日向ひなた先輩だった‥


「なんで優ちゃんと翼君があんな学校の有名人と?」


あまりにも衝撃的すぎて言葉が出なかった‥

そして、私は何故か初めて翼様に救ってもらった日を思い出してしまった‥


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「おい、チビ!お前なんかお兄ちゃんが居なかったら何もできないだろ!!」


「やめてよ‥」シクシク


「泣き虫でチビとかお前ダメダメだな〜」アハハ


「おい、お前ら辞めろよ」


「誰だよお前!」


「俺は今井翼いまいつばさだ!!お前ら優希の妹いじめるな!!」


「うわ、チビのお兄ちゃんの友達だ!逃げろ〜」


「舞ちゃん大丈夫??」


「う、うん。ありがとう」シクシク


「そんな泣くなよ!困った時はいつでも助けるからね!!」


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これが走馬灯ってやつなのか‥

私は死ぬのか‥



「おーい舞ちゃん!生きてるか〜?」


「すいません、つい気が遠くなって‥」


「まさかあの2人がこんな凄い人と遊んでるとは思わなかったね〜」


「兄貴が最近オシャレに目覚めたのはそういう事だったのか‥」


皆んなの仲良くしてる感じを見ると兄貴は壺売られるわけでも怪しい教材買わされるわけでもなさそうだ。


「とりあえずついていけば、皆んなの関係性が分かるかもね〜」


「私の翼様を〜」グヌヌ


こうして私達は尾行を続ける事にした。


次に向かったのは“巨大謎解き迷路ワトソンの後を追え!!”だ。


「舞ちゃん私謎解きとか全く分からないタイプだけど大丈夫かな〜??」


「栞菜ちゃん、私も苦手だけどとりあえず入ってみましょう!!」


「うーん、これは難しいな〜」


「私全く分からないです‥」


「私達ここからもしかして出れない???」


こんな事をやっている内に速攻タイムアウトになった‥


「難しかったね栞菜ちゃん‥」


「うん〜尾行のつもりがついつい楽しんじゃったね〜」


「栞菜ちゃん隠れて!」


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「やりましたね!こはる先輩!!」


「いや私と優希くんが頑張ったからだよ!!」


「こはるぅ〜、え、今2人とも名前で‥」


「あっ‥」



みんなが楽しそうに話していた、兄貴はもしかして日向先輩の事狙ってるのかな?

だとしたら翼様は朝比奈先輩???

もはや勝ち目なし‥



「すいません〜撮影始まりますのでご協力お願いします!!」


なんだかテレビが来ている、あれ?撮ってるのってモデルの桃花ももかちゃんだ!!

本物だ〜可愛いすぎる!!

そういえば桃花ちゃんって兄貴の同級生とかじゃなかったけ??


「栞菜ちゃん!あれって桃花ちゃんだよね?てか、栞菜ちゃんって同級生じゃなかった?」


「う〜んそんな子居たっけなぁ〜?」


とぼけたのか、私の勘違いなのか栞菜ちゃんは否定してきた。


「そんな事より、みんな向こういっちゃったよ〜」


「ヤバいみんなを見失う!」


っってあれ??

目の前に兄貴が居た。


バレた‥


「おい!お前らなんで着いてきてるんだ?

舞と栞菜!!」


ギクッ!!


「なんでお前らこんな所に居るんだよ!まさかついてきてたのか??」


「いや違うの優ちゃん!舞ちゃんから2人が女の人と遊びに行くって噂があったからその‥えっと‥ね??」


「ごめん兄貴が朝から挙動不審でキモかったから気になって!」


「舞!こんな事で栞菜に苦労かけるなよ!」


「ごめんて〜」


「あれ、舞ちゃんに栞菜?まさかお前ら‥」


「あっ翼様」(小声)


こうしてスパイフレンズのミッションは失敗したのであった‥


私と栞菜ちゃんは先輩達に挨拶をしてその日は解散する事になった。


「優ちゃんも翼君もごめんね本当に‥」


「俺は気にしてないよ!」


「俺もって言いたい所だけどまさか舞にバレて尾行されちゃうとはな‥」


「でも良かった兄貴ちょっと前まで暗かったけどまた昔みたいに笑うこと増えたよね?」


「そ、そうか?前からこんな感じだったけど?」


未来はどうなるかなんで分からないし、もしかしたら兄貴も翼様も栞菜ちゃんも私から離れる時が、私から離れる時がくるかもしれないけど、それでも、今はこの楽しい瞬間を噛みしめるのも悪くないかもな‥


「なんだかんだで夕方か‥帰りみんなでいつもの所でアイス食って帰るか〜」


「流石兄貴〜ゴチになります」


「お前なぁ〜まあいいか、今日はみんな奢ってやるから好きなもの食えよ〜」


「やったー!」


「ありがとう優ちゃん〜」


こうして激動のスパイミッション(尾行)が終わったのであった。


いつか私の恋が実れば良いな、そんな事考えながら私たちは帰路についた。



番外編ー終ー。

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