エピソード3 宣告

 自称「神様」の能力自慢とも取れるような長い話は一旦落ち着いたようだ。今度は身にまとった薄汚れた布に手を入れて何かを探しているようだ。しばらくモゾモゾと動いた後、出てきたのは懐中時計だった。そして、目を見開いてその懐中時計見て、こう言った。


「君、あと一時間と四分で死ぬよ。」








 私、死ぬんだ。少し驚いたけれど、恐怖とかそういったものはない。かと言って、別に死にたいわけではない。でも、このまま生きていたくもない。

 突然された死の宣告に実感が湧いていないだけかもしれない。


 「あの、こういう時に来るのって、死神じゃないんですか。」

「・・・まあ、そこら辺は置いといてちょうだい。」

 変な質問をしてしまった。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る