【詩】雨の先には虹があるよ

雨雲が厚い

傘は忘れてしまったな


私の憧れは貴方だったよ


私よりも強くて

私よりも賢くて

私よりも丈夫で


でも本当は

貴方は弱かったのかもしれない

私に孤独はなかったけれど

貴方はいつも孤独だったから


忘れないよ覚えているよ


冷えた唇をなぞった指を絡ませて

力も入れずに合わせた左手同士


忘れないよ覚えているよ


私の眼が陰った虹色に映り

ゆっくり描いた互いの三日月


何処に行っても忘れないでね

私という自分勝手がいたこと


好きだ

大好きだ

愛してる


左手首に絡まる二本のブレスレット


小指

薬指

中指

人差し指

親指


ゆっくり順番に握れば

貴方の重さを感じるよ


雨中に踏み出せば青灰色の星が散る

ブレスレットは濡れないように袖に隠す


私は歩くよ


きっとこの雨の先に

虹の星々が広がっているから


待っててね孤独な寂しがり屋さん

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