魔女に転生したけどダンジョン攻略は無理なので、ダンジョンに挑む冒険者たちをもてなす事に決めました。

二位関りをん

第1話 魔女になりました

 私は死んだ。…と思ったら目に光が差し込んでくる。


「ここは…?」

「あら、起きたのね」


 私の左横に、黒い三角帽子を被った女性が座っていた。そして今いる部屋は、さっきまでいた病室よりも簡素で古びた作りに見える。


「気が付いた?」

「あ、あの…」

「ここはイリア国。そして私は魔女のマリーよ。あなたも魔女みたいね。魔力を感じるもの」


 私が魔女?先ほどの感覚と合わせて考えてみると、もしかしてこれは転生というやつか?という結論に達した。


「え、私が魔女…?」

「そうだと思うわよ。人間ではなさそう。試しに呪文唱えてみて」


 そう言われても呪文なんて知らない。なので何かそういうものが書かれてある紙か本は無いですか?と聞いてみると、マリーは快く本を貸してくれた。私は起き上がってその本を受け取る。

 こうして体を動かす分には、何にも痛みや苦しさは無い。さっきはあれだけ苦しかったのに。


「じゃあ、ここの一節を読んでみて」

「ルクルシェル、アイリード…」


 呪文を唱え終わった瞬間、私の目の前に置かれてある若干しおれかかった花がみるみるうちに生気を取り戻した。花もぱあっと美しく満開になる。


「わあっ…!」

「やっぱりね。魔力があるわ」


 この光景に、私は思わず目を輝かせた。

 だって、私はずっと魔女になりたかったのだから。

 

 

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