変革の道


「起きなよ、ケリー」


────どこか、懐かしい声。


「いつまで、寝てるのさ。ほら、目を覚まして」


────ディアラ。


「遅いよ。なに、君夜更かしでもしたの?睡眠は大切だよ」



───────────────────



「嫌だ、やめてよ」


───お前は、危険だ。


「酷いよ。酷いよ!お兄ちゃん!」


心を殺して、泣き叫ぶ彼女の頭を撃った。


そして、自分に銃口を向け、引き金を引いた。

忘れたかった。

もう、思い出したくなかった。

会いたくなかった。


未だ、記憶にはノイズが走る。

途中で何があったのか。

何故、俺が撃ったのか。



どこかで、彼女は今、思い出に浸る。

どこかで、彼は今、未来へと進む。


「さて、そろそろ思い出したかな」


「どうしました?リーダー」


「ううん、何にも。さ、変革を始めよう」

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