藻塩草

長尾

白装束

「もう暗いからそろそろおやめ」


姉さんに言われて初めて手を休めた。この頃仕事が朝の早くから夜が更けるまで忙しい。寒くなってきたので山神様が白装束に着替えられる日が近いのだ。星の光の糸で月光布に氷の宝石を縫いつける。美しくて誇りある仕事だ。休んではいられない。燭台にそっと火を入れた。

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