リグの教え #01 - 「生命の原理・階級編」

 偉大なる創造神・リグの伝えた教えはあまりに奥深く深淵であることから、残念ながら素晴らしき知慧と曇りなき眼を持つ者以外へはその詳細が知られていない、またその知識が断片的であることが多い。この問題に心を痛めた偉大なるリグスの神聖皇帝は、愚民でも理解できるようその教えを簡略化した書籍を奏することとした。ここではリグの教えの中でも最も重要な生命と物質の起源・聖人から賤民までが厳守するべき律法と階級制について記す。


 

生命の原理

 

 1、リグは偉大なる創造神であるとともに、この世界のカラダとココロそのものである。それゆえ、我々はリグの肉体・意志・心となり生活をしなければならない


 2、リグの頭・胴・脚からはそれぞれ天・空・地の3界が生じた。


 3、リグの目からは神官階級、口からは王侯階級、喉からは戦士階級、胸からは庶民階級、腹からは奴隷階級、足の裏からは不可触民が生まれた。


 4、神官から戦士までを「上に立ちし者」、庶民から不可触民までを「生まれの卑しき者」と呼ぶ


 5、リグの心からは霊魂が、リグの身体からは物質が生まれた。霊魂からは更に精神・自我・意識が、物質からは光・風・炎・水・地・闇が生まれた


 6、霊魂の働きは人々の精神・自我・意識を作り変えることを可能とする。これを「奇跡」と呼ぶ


 7、霊魂の働きは目に見えない精神と物質の流れをも創り出し、それを操ることを可能とする。これを「魔法」と呼ぶ


 

階級と戒律


 8、奇跡の力を操ることはリグの頭・首より生まれた上に立ちし者の特権である。それゆえ生まれの卑しき者が他者の精神・自我・意識を操ることは厳格に禁ずる。そのような行為はリグのカラダとココロを乱し、宇宙の崩壊を早めるからである。


 9、これに反したものはその首をリグに還すべし。これを「斬首」と呼ぶ


 10、同じ理由で、生まれの卑しきものが光・風・炎の魔法を使うことを禁ずる。これに反した者は回数に応じ順に右耳・左耳・右手・左手・舌を斬り落とすべし。これを「斬刑」と呼ぶ


 11、不可触民の奇跡の力・魔法の力に対する違反は特に重罪であり、その場で首をリグに還すべしである


 12、これらの戒律に反する魔法は「黒魔法」と呼ばれ、リグによる正当な「白魔法」と峻別される。リグより生まれし民は黒魔法を使うこと勿れ


 13、奇跡・魔法と同様、生活様式にもリグによる正当な暮らしがある。


 14、全ての神と生命はリグへと繋がり、リグへと還る。よってリグ以外の外道より生まれし神を祭ってはならない。これに反したものは階級に関わらずその首をリグに還すべし


 15、リグはあまねく森羅万象であるばかりでなく、あなたの精神・自我・意識でもある。よって妄りにリグの名と権威を使ってはならない。これに反した者は順に鞭打ち・石打ち・手足の斬刑に処す


 17、殺人をしてはならない。命の価値は階級ごとに異なるので、例えは庶民階級による神官階級の殺害は殺害者側一族の斬首、神官階級による庶民階級の殺害は指・手足の斬刑に処す。目には目を、歯には歯を。


 18、姦淫をしてはならない。上に立つ者の姦淫は重罪であり順に指・手足の斬刑・斬首、一方生まれの卑しき者は順に鞭打ち・石打ち・手足の斬刑に処す


 19、盗んではならない。これに反した者は順に鞭打ち・石打ち・手足の斬刑に処す生まれの卑しき者の上に立つ者への窃盗は更に重罪であり、即座に手足の斬刑に処すものとする


 20、偽証をしてはならない。これに反した者は順に鞭打ち・石打ち・手足の斬刑に処す生まれの卑しき者の上に立つ者への偽証は更に重罪であり、即座に手足の斬刑に処すものとする


(中略)



刻印

 

 50、階級が交わり宇宙の調和が乱されることが無き様、リグの民には刻印を施される。この刻印は額と手首に行うべし


 51、神官を表す光の印は円の記し、王侯を表す風の印は半円の記し、戦士を表す火の印は正三角の記し、庶民を表す水の印は菱形の記し、奴隷を表す地の印は正四角の記し、不可触民を表す闇の印は塗りつぶした正四角で表すべし。また手首の側に三界を表す三本線を、不可触民の場合を除き記しの内に変わらぬ自己を表す黒点を描くべし


 52、自他の刻印に不要な装飾を加える等、変造することは重罪である。刑罰の為に行われる場合を除いて、刻印の変造は階級の不名誉降格に処すべし


 53、不名誉降格について。刻印の不要な装飾には階級に関わらす1等級の不名誉降格が、不可触民に対しては斬刑が行われる。意図的に階級を偽ることは更なる重罪であり、上に立つ者の場合奴隷階級への降格、生まれの卑しき者に対し不可触民への降格、不可触民に対しては斬首を行うべし


 54、戦闘・儀礼の際や長袖の服などを着る場合を除き、刻印を意図的に隠してはならない。刻印を隠し続ける者に対してはその場で衣服を剥ぎ取りその正体を明らかにすべし


(中略)


 

 100、始まりの言葉は「ア」である。終わりの言葉は。あなたの体はリグの体、あなたの心はリグの心である。偉大なる創造神リグを常に観相しその思いに答えるべし。終わりの言葉は「オ」である

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