第2話 興味

 私は勢いに押されて小さくうなずいた。

「では、お化け屋敷のシナリオを考えるのは坂本君と本条さんにお願いします。次にー」

 授業が終わった放課後。私と坂本君はホラーなアイデアを得るために図書室を訪れていた。

「ホラーなジャンルの本はこの辺だね。俺は左側から見ていくから本条さんは右側から題名を見てね」

小さくうなずく

やがて私は一冊の本に目を留めた

「何かいい本あった?ー妖怪の本?」

それは『日本の妖怪』という本だった

「読んでみる?」

「うん」

席に持っていき、坂本君と本を読む

「へぇ、いろんな妖怪がいるんだね。本条さんは妖怪が好きなの?」

「うん、好き」

「そうなんだ」

「特に好きな妖怪とかいるの?」

「この妖怪」

「ええっと、タンコロリン?」

「うん」

「なんで好きなの?」

「内緒」

結局その日は『夏祭り.お化け屋敷』という本を借りて帰ることにした。

 「そうだ新条さん。今度、お化け屋敷に行ってみようよ」

「お化け屋敷に?」

「うん。シナリオは今日借りた本をベースに考えるけど、細かい仕掛とか参考になるかもよ」

「そうだね。今度行ってみよう」

 それからしばらくして、お化け屋敷の前に坂本君からカフェに誘われた

「私と一緒にカフェに行きたいの?」

「うん、駅前に新しくカフェができたから俺と俺の友達と本条さんで行こうよ」

「良いよ」

「やった! じゃあ、待ち合わせはー」

 そうしてむかえた当日。

「おはよう、健」

「おはようゆう。」

「おっ、その子は彼女か?」

「違うよ、友達。紹介するよ、本条夏樹さん。

本条さん、谷川優たにかわゆう。優って呼んでいる」

「初めまして、本条夏樹です」

「じゃあ、早速カフェに行きますか」

「そうだね。おいで、本条さん」

 それぞれ好きなものを注文した。

「この店のケーキ美味しいね」

「確かに。本条さんも美味しい?」

「うん、美味しい」

「そうだ優。どっか良いお化け屋敷知らない?」

「お化け屋敷?」

「今度行こうと思って」

「それなら地元にあるよ」

「じゃあ、そこに行くか」

 それから私はお化け屋敷に行くまでの間に

坂本君と一緒にシナリオを考えたり、図書委員の仕事をしたり、放課後はカフェ巡りをしたりした。どれも新鮮で楽しかった。

そしてむかえたお化け屋敷、当日。

「おまたせ本条さん」












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