巡る季節の真ん中で奇跡を  〜桜色に染まる世界〜

咲良 桜叶

プロローグ

 春、夏、秋、冬。季節はとどまることを知らず、大地を彩りながら巡る。人が待たずとも、待ってほしいときも、、、。



 さあ、ここで少し昔の話をするとしよう。季節を司るものが季節ごとに1人いた。彼らは異能ローズで季節を操り、大地を彩りに満ち溢れさせた。彼らの寿命は7777777年。幸運とされる虹の色の数×かけるLucky 7ラッキーセブンである。そのこともあり、人間は彼らを崇め、感謝し、守り人となり彼らを支えた。だが、いつからだろう。人間は自らの力を高めるようになった。ある者は剣術を高め、またある者は学力を高めた。次第に人間は彼らを忘れ、季節が巡るのは当然であり、自然の理あたりまえだと考えるようになった。そのことに悲しみと怒りを感じ、彼らはこの世そっくりの世界を作り『楽園』ユートピアと呼んだ。彼らは『楽園』で文化を繁栄した。この世に季節を巡らせながら。


 ーなぜこの世そっくりの世界を作ったのか。それは彼らしか知らない。ー


 彼らは『楽園』の敷地を4つに分けた。


 最も北に位置する『雪宮』。人間界で言う「北海道」だ。『雪宮』では、冬を司る者とその血族に加え、冬生まれの者とその血族が暮らしている。冬生まれの者とその血族の多くが、かつて『楽園』で暮らすことを選んだ人間の血を引いている。

 

『雪宮』の次に北に位置するのは『紅葉宮』もみじみや。人間界で言う「東北地方、北陸、山陰」だ。『紅葉宮』では、秋を司るものとその血族に加え、秋生まれの者とその血族が暮らしている。秋生まれの者とその血族の多くがかつて『楽園』で暮らすことを選んだ人間の血を引いている。



 『紅葉宮』よりも南に位置し、2番目に暖かい位置するのは『桜宮』。人間界で言う「関東地方、中央高地、東海地方、近畿地方、中国・四国地方」だ。『桜宮』では、春を司る者とその血族に加え、春生まれの者とその血族が暮らしている。春生まれの者とその血族の多くがかつて『楽園』で暮らすことを選んだ人間の血を引いている。


 そして、最も南に位置するのは、『海月宮』くらげみや。人間界で言う「九州地方、沖縄県」だ。『海月宮』では、夏を司る者とその血族に加え、夏生まれの者とその血族が暮らしている。夏生まれの者とその血族の多くがかつて『楽園』で暮らすことを選んだ人間の血を引いている。


 宮ごとに、それぞれの季節を司る者がいるため、宮はそれぞれ1年中同じ季節だ。彼らの総称を『赤星花』カランコエといい、『赤星花』の守り人を『天使花』エンゼルランプというが、その由来も『赤星花』しか知らない。











 さて、ここまで昔ばなしを話してきたが、みなもそろそろ今代の『赤星花』の話が気になるであろう。それでは『楽園』へ行こうではないか。










      ーこれは、『楽園』で起こる奇跡の物語ー

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