第4話 レベル10


―――

天空秀 19歳 男

クラス『鑑定士』

レベル『10』


体内魔力量190

身体強化率190


スキル【鑑定lv3】【収納lv1】

―――


 レベルが10まで上がり、鑑定のスキルレベルが1上昇。

 更に新たなスキルを獲得した。


 『収納』は物を亜空間に入れて保存しておくスキルらしい。

 今の状態だと大き目の段ボール一つ分くらいのサイズしか空間が広くないが、それも広がるのではないかと思っている。


 アンデッド系の動画はやはり競合になる動画が少ないからか、再生数が少し上がった気がする。

 今の総再生回数は2200回。投稿動画数は15本だ。


 コメントでは画質が良くなって手振れも減ったというようなコメントが多い。

 上級のモンスターの動画もアップして欲しいなんてコメントが来ていたが、少なくとも今の俺には不可能ですと返信しておいた。


「良い感じだ。一ヵ月と少しでレベル10って相当早いんじゃないか? このレベルアップ方法は狡い気がしなくも無いが、鑑定士というクラスの俺が強くなるためには仕方無い事だ」


 それに効率も抜群だし。

 次からの動画は概要欄じゃ無くて動画の中に編集でモンスターのステータスを表示しておこうかと思っている。


 その方が見やすいしね。概要欄と動画画面と同時に見るのは正直疲れると思うし。


 実際編集して欲しいってコメントも結構あった。字幕とか、カットは少ししているけどやっぱりプロほど正確な訳じゃ無いし。


 一番いいのは誰か雇う事だけど、そんな知り合い居ないしな。


 編集ソフトは一応無料の奴ならパソコンに入ってるけど、有料の良い奴を買った方がいいよな。

 年間契約で一万円くらいだし。でも編集するならパソコンをもっと高性能な奴にしたいな。


 動画収益は今の所収益化していないから0。

 バイトは動画のためにダンジョンに入るようになってからはしていない。

 討伐したモンスターの素材、主に魔石を売った金はあるけど、どれも下級のモンスターの素材だから大した金額じゃない。


 何か良い金の稼ぎ方は無いだろうか。


 そう言えば鑑定のスキルレベルが上がった事で、鑑定可能な範囲が上がったんだったな。


 今までの情報に追加して、その対象の身長、体重を鑑定できるようになった。

 いや、だから何だって話だけど。


 身長と体重の情報は、必要不可欠にならない限りは表示する事すら無いだろう。


「さて、どうやって金を稼ぐか」


 動画投稿に関して、次はどの魔物を討伐しようかと思ってネットサーフィンしていたところ、アルバイトの募集を見つけた。

 なんでも探索者限定のバイトらしい。


 その内容は、荷物持ち。


「おぉ、俺にピッタリのバイトじゃないか」


 金は何もない所から湧いてきたりしない。

 チャンスがあるなら何事も挑戦してみるべきだよな。


 そう思って、俺はそのサイトの登録用プラットフォームにメッセージを送信した。


 幾つかのアンケート、主に探索者としての能力に関しての質問が表示され、それに答えて送信する。

 どうやら募集元は結構大手のギルドらしい。身元もはっきりしている安全な所で良かった。


「募集日は来週か、もう少し今のスタイルで動画を上げて、レベルも上げておくか」


 経験値のログはうるさすぎるのでオフ状態にしている。

 そうじゃ無ければ、今もきっと経験値が幾つ入ったとログが流れて来るだろう。

 それほどまでに超速で俺のレベルには経験値が注がれている。


 恐ろしい速度だ。


 ただ、やはり動画にしている下級のモンスターを倒した時しか俺に経験値は入らないらしく、レベル10にもなった今は、早々レベルが上がる事は無い。

 1日で1レベル位のペースだ。


 やはり動画を上げた日は結構な速度で経験値が入るので、その動画を見て、もしくは見ながら、モンスターに挑んでいる新人の探索者さんは結構な数いるのだろう。


 まぁ、そういう目的じゃ無かったら雑魚モンスターの討伐映像なんて見ないよな。


 バイトの審査に通るかまだ分からないけど、収納なんてスキルもあるし、可能性は高いんじゃないだろうか。

 もしかしたらそこで才能を見初められてスカウトなんかされちゃうかもしれない。


「なんて、少なくともレベル10で大手ギルドは無いな。高望みしないで動画を上げながら堅実にレベルを上げて行くとしよう」



新作『異世界帰りの武器屋ジジイ』も良ければ読んで頂ければ嬉しいです。

https://kakuyomu.jp/works/16817330665868612405

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る