これ多分私のせいだな…間違いない

30ページ


あっどうも、記念すべき30ページなのにレクトがすごい事になっているのを見ているモンスターです。イェーイ。



なんか血を吹き出したあと、レクトは意識を失った?のかは分からないけど体から力が抜けて動いていない。


そのあとに体からドス黒い何かが出てきたんだ。吹き出した血の代わりにね。


んで、あれ見た時に私思いました。



私に似ているなぁ〜って。



なんかよく分からないけど、あれを見た時にそう思ったんだ。まぁなんとなく心当たりはあるよ?レクトが私の血を吸った時のその血が原因じゃないのかなぁと。



おそらく私の血も特徴があるんじゃないかな?それでレクトの血と混ざって、言うなれば私とレクトのハーフになったという事。


だからある程度変身などができるかもしれない。そして吸血鬼の能力も備わっている。



あれ?強くね?



それはともかくモンスターが襲いかかろうとしているんだけどね?なんかその黒いドロっとしたやつがそのモンスター取り込みはじめたんだ。びっくりしたよ。



まずシュバって足にまとわりついて、その牛のモンスターを転ばせる。それからだんだんと上に向かってそのドロっとしたのは全てを包んだ。



少ししてモンスターはいなくなり、あるのはそのモンスターが持っていた斧だけだった。



いやーびっくり!しかも食べ終わったらギュルギュルギュル!みたいな音を立ててレクトの体に戻ったもん。なんか気持ち悪っ。




取り敢えずレクトをそのままにしておくのはダメだと思ったので、おんぶして帰ることにした。こう見えても私力持ちだからね?あっゴリラとか言ったやつ許さん……ゴリラってなんだ?



まぁいいや。帰る道中にさっきの事について思い返して分かったことがある。



私の血がとてつもなくヤバい。



………あれ?って事はこれ飲み続けたらまずくないか?あの吸血だけであれになるんでしょ?


よしやめよう。レクトに飲ませるのやめよう。モンスターを取り込みすぎて自我を保てなくなるとかあるかもしれないからね。


まだアレの能力がどんなものかは不確定だけどモンスターの血とか取って飲ませておくか…仕方ない。めんどくさいけどね。


彼女は要らないとか言っていたけど少しは必要だからね。




目が覚めたら説明しよ。






そんなこんなでレクトを背負って帰ってきた我が家。なんかとてつもなく疲れた気がする。とても眠い。


精神面での疲れかな…


ひとまずレクトをベットに寝かせて、私は近くにあった椅子に座り少し目を瞑った。瞼が重くなり私は眠った。





目が覚めるとそこは何もない場所にいた。私は戸惑いながらも周りを見渡す。ここどこ?



「……………!」



誰かいる。レクトなの?いや違う。

えっ何?聞こえない。聞こえないってば。でも誰?あっ待って!



「………」


何かは言っているがモヤがかかったかのように聞こえない。そしてその子はだんだんと奥にいく。私は追いかけようとしたが何故か足が進まない。



下を見るとツタなどが絡みつき、足が沈んでいく。このまま引き込まれたら良くない事が起こる…と頭の中で危険信号が出ていた。



やめろって!やめてってば!このッッ!



どうにか抜け出そうとするが動けば動くほど下に引き込まれる。ふと前を見るとその子は悲しそうな表情をしていた。



「………ごめんね」



それと同時に引き込もうと力が強くなり、私はそのまま何もする事が出来ずに闇に引き込まれた。



あーこれマズいやつや。



〜〜〜




「んん…あれ?私は…」

「レク…ト、起きた…」



目が覚めるとそこは家のベットだった。ベットの近くにある椅子に彼女は座っていたが何かがおかしい。いつもの彼女ではない。



「もうし…わけないけど…今すぐ…ここから逃げて…」

「どうゆう事ですか?意味が…」



ボトッ



何かが落ちた。それは彼女の右手だった…が溶けて黒くドロっとした何かになった。



「な、何が起きて…」

「わ、私にも分からない。けど何か体の内側から溢れてきそ…」



ボトッ



次は左足がなくなり、またドロっとした何かになる。そして気づいた。家の木を腐らせてそのまま下に沈んでいくことに。



「ね?だ、だから…今すぐにここから…」

「でもこの森からは…」

「じゃ、じゃあ…私がなんとかして…あっ」



今度は右足がなくなった。そのため彼女は体勢を崩して倒れ、歩けなくなってしまった。



「…私を外に連れて」

「分かりました」



外に出ると夜になっていた。彼女はかなり苦しそうだった。「うぅ…」と呻き声も出ていた。



「今から…レクト…君を遠い何処かに投げる…ごめんね。たった数日しか面倒見れなくて」

「いえ…わたしは…」



ブシュゥゥゥ!



彼女の背中から何かが吹き出している。まるで翼のようだった。



「じゃあ…行くよ?」

「はい」

「多分…この森を…私は…破壊してしまう。もし私が生きていたらきっとレクト…君に会いにいくよ…だから…」



その後はハッキリと聞こえなかった。私は強い力で投げ飛ばされ、後ろを見ると家があった場所がドス黒い何かに覆われてだんだんと大きくなっている。


なんとか少ない血を使ってグライダーのように滑空する。後ろを見ていると、ドス黒い何かは風船のように膨らんでいき…



バァァァン!



破裂した。それと同時に凄まじい速度で黒い何かは森を腐らせていく。一瞬で木が枯れて、モンスターも溶けて成す術なく死んでいった。



「あれがあの人の…」



私はあの人の足元すら及ばない事を実感しながらその森から脱出する事が出来た。わたしはこれらの事を一生覚えているだろう。



だが森は全てが消えた。かなり広い範囲で強い瘴気が発生してしまい入る事もできず住む事も出来ない場所となった。



これらの事は様々な場所で異変を感じとった人がいたという。それは人間なのかそれとも…



のちにこの場所は『終焉の大地』と呼ばれるようになる。




以上が私の師についての事だ。もう13年も前の事だがはっきりと覚えている。そして私は君らと共にあの人を探しに行く。


かなり強くなった事だしな。良ければ…君たちの話も聞かせてもらえないだろうか?彼女の話を交えながら…




1章、完




















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