私の名前?名前…モンスター?
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女の子が落ち着いたらしいのでどうもこんにちは。隣のモンスターです。あれから家に戻ってきたよ!
それから女の子に色んな事を聞かれたのでしどろもどろになりながらだけど答えるとおとなしくなった。とは言っても、私に聞かれてもねぇ?ここから出た事がないから分からないんだよ?
あっそうそう、彼女の名前はレクトっていうんだ。なんか吸血鬼?らしくてこの森の近くにある村から迫害を受けてたんだって。
んで、緑の小さい奴…ゴブリンっていうんだけどね?そいつに捕まって子供を産まされるところだったらしい。
うーん……許せん!こんな可愛い子を迫害だなんて。村があったら潰したい…って、あっごめんごめん。どうやら私が鬼の形相をしていたらしい。
えっ?私の名前?名前…モンスター?
種類?知らないよ…気づいたらここにいたのだから。性別は多分女?
あっそうだ。レクトは私の血をチューチュー吸ってたよね?美味しかったの?あっ美味しかったのね。ん?吸ったらなんか様々な記憶が流れた?色んな彼らがいた…そうゆう事ね。
私はこれ食べてるの。この石…魔石っていうんだ。おそらくレクトが見たのは私がその魔石?を食べた時のその石の主じゃないかな?だって彼女と出会う前まで私1人だし、唯一会っていたのはそのモンスター達である。
その事を伝えるとレクトは驚いた顔になった。まぁでもこちとら生きるためですから?仕方ない。
ところで君は人間なのかな?えっ人間から生まれた吸血鬼?そんな事があるんだねー。取り敢えず血を飲んでいれば大丈夫?私の血ってそんな栄養あるんだ。
でも肉などは食べたいんだ。分かったよ。まぁ衣食住はしっかりしたいもんね。服…は私が作るか。任せて!糸は出せるし、どうやら色も変えれるから君に合った服が作れるよ。
えっと…ふむふむ。ワンピースみたいな形ね。分かった。作ってみるよ。あとで採寸させてね。大丈夫。すぐ終わるから。
えっなんか露骨に嫌な顔された。仕方ないじゃん。そうしないと君に合った服作れないからさ。
レクトは渋々頷いた。まぁ出会って1日2日としか経ってないから警戒されてるんだろうけどね。でも傷つくなぁ〜。
えっ?お願いがある?警戒されてるのに?えっ違う?肌を見せたくない事も?もしかしてその村の連中に何かされたのかい?
私の予想は当たっていた。なんでだよ…彼女は子供だよ。たとえそれが吸血鬼だもしてもだ。拳を握りしめると血が出てきた。ハッとして力を緩めた。
あっごめんごめん。それでなんだっけ?私を強くして欲しい?復讐をする?えぇ…まぁ分からんでもないけどさぁ。
えっ何か料理を作る?料理…まぁいいか。じゃあ私の身の回りのお世話をする事を条件としよう。台所とか食料の準備はするから。
あっでも途中からは君にやってもらうよ?よし。交渉成立だね。じゃあ君はまだ寝ててね。
明日から始めるよ?
じゃあおやすみ。レクト。
〜〜〜
一旦、家に戻ってきた。そしてテーブルを挟むように彼女と私が座った。
「えぇと…まずは私を助けてくれてありがと」
「ま、まぁそこで死ぬと私も目覚めが悪いからさ…そ、それで何か聞きたい事はある?」
私は沢山の疑問を彼女に伝えた。
「まずここはどこ?」
「どこと言われても…わ、私は気づいたらここにいてずっとこ…ここにいたから。き、君はなんであそこにいたの?」
「それは…」
村で差別されていた事を伝えた。すると彼女の顔に変化があった。
「なんで…子供がこんなに…吸血鬼だとしても、ユルセナイ…ユルサナイ…」
彼女の顔が鬼のような形相になった。それと同時に彼女の後ろから何か黒いモノが出てきた。
私はそれを見て怖くなった。言葉が出ない。息が詰まるようだった。何かこの世ならざるモノな気がする。
「……ッッ!」
「あっご、ごめん。こ…怖くさせたかな?」
「はぁはぁ…」
彼女を怒らせてはならない。怒らせるとどんな事になるかわからない。そう思った。
「そ、それと名前を言ってなかった。私はレクト。よろしく。あなたは?」
そう言うと困惑したように言う。
「な、名前?名前…モンスター?」
「モンスターって…それは総称でしょ?そのモンスター名はないの?」
「生まれた時?気づいたらこ、ここにいて、そ、それからずっとここにいたから…あっでも多分女?」
それは分かる。胸の膨らみがあるからである。すると彼女が私に問いかけてきた。
「と、ところでレクトは私の血を吸ってい、いたけど、美味しかったの?」
「血はあまり飲んだ事はなかったけれど…1番美味しいと思う。それと聞きたい事があるんだけど…」
彼女の血を飲んだ時、様々な記憶が頭に入ってきた事を言った。すると彼女は少し考えてうんうんと頷いた。
「今まで私はこの石を食べてたんだ」
そう言って緑色に光る石を出してきた。それは魔石と呼ばれるモノであった。
「それは魔石…」
「魔石っていうんだ…これを食べる。こんな感じで」
パクッと口に入れて、魔石をバリボリと噛み始めた。そしてしばらく噛んでから飲み込んだ。
「た、多分だけど…こ、この石の主の姿がその記憶の彼らなんじゃないかな?だって君に出会うまでわた…私は1人で会っていた?となるなら私以外のモンスターしかいないからね」
魔石というのは食べると人体に害を成す代物である。そのため絶対に食べてはいけない。しかしそんな魔石は燃料として使われている。非常に燃費がよく、照明などに使う小さな魔石でも2年は使える。
「ど、どうしたの?そんな驚いた顔で?」
「少し…驚いただけ」
「そ、それと吸血鬼と言っていたけど…君は人間なの?」
そこで私は人間から生まれた吸血鬼だと言った。彼女は少し興味がありそうな表情になった。だが吸血鬼なので取り敢えず血を飲んでいれば大丈夫と言った。
「って言う事は私の血を飲んでいればいいんだね?」
「でも普通の食事もしたい」
「まぁそうだよね。肉も食べたいよね。衣食住は大事だもんね」
そう言ってから彼女はある事に気づいた。
「そ、その服…ボロボロだね。私が作ってあげようか?」
「えっ…」
そう言って、口から何か出してきた。細い糸のようだ。
「わひゃひは、くひからひとをだせるんだ(私は、口から糸を出せるんだ)」
「糸を…それで服を作るってこと?」
「ほうゆうこと(そうゆうこと)」
なら私に合った服を作ってもらおうと思った。その提案を了承する事にした。
「そ、それならどんな感じがいい?」
「ワンピースみたいな感じで…」
「分かった。あとで採寸させてね」
「えっ…あっそれは…」
私の肌はあまり見せられたモノではない。鞭で打たれた跡もある。私は渋々頷いた。それを見た彼女は悲しそうだった。
「ありがとう。ごめんね。私なんかが。そうだよね」
「ち、ちが…う。そうゆう事じゃなくて…お願いがあるの!」
「わた、私に?警戒されてるのn「警戒はしていない」えっ?」
彼女の言葉を遮るように言った。私は肌を見せたくない理由を話す。すると彼女は悲しそうな顔をして手を握った。血が出ている。
「あなたが悲しむ事じゃないから…それで…」
「あっお願いだったよね?なんだったけ?」
「私を強くしてほしい!復讐のために…」
彼女は微妙な顔をした。私は1つ提案をした。
「料理を作ります」
少し悩んでから彼女は何か決めたような表情をして言った。
「……分かった。でも条件があるよ。その料理を作る事など、家の様々な事をしてね。台所とかは準備するし、肉も調達するから。でもいつかは君がやる事」
「やります!」
「分かった。明日からやってね。じゃあ今日は寝た方がいい」
外はすでに夜なので私は寝ないといけない。
ベットに入って目を閉じた。
「おやすみ、レクト」
小さな声で彼女がそう言い出て行った。
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