あの金木犀の香りが作り物だとわかった時

物語が進むにつれて明らかになるサチという人間。

少し無機質で暗い雰囲気の世界観。

サチと主人公の複雑な関係性に色濃く結びつくのは金木犀の匂い。

その全てを読み終えた時、百合という言葉では片づけることのできない感情が私の中で渦巻きました。


情景や心情の描写、表現がとても丁寧で素晴らしい。

次々と映像を頭に浮かべながら読むことができました。

作中に出てくる香水の表現は必見です。


本物の金木犀の匂いが嗅げる季節が楽しみです。

すばらしい作品をありがとうございました。