会議室にて

がつむい げつよう


 昨日きのうごとからいちけ。ようほくたい耀ようにんは、しゅうだんとうこうはんいっしょがっこうると、きょうしつにはかわず、だれないかいしつかくれてかいをしている。


「それにしても、おもいたな


 たい耀ようほくのランドセルにいている、キーホルダーをさわりながらそうった。


 そのキーホルダーは、臣器おみきもととなるそうしょくひんに、ロウオウマルちからでキーホルダーのかなけたもの


たしかキーホルダーとかものよねがっこうんでものなの?」


 姿すがたあらわしたスセリがそうにそうくと、ようこたえる。


ひとものるんじゃねぇの?」


 するとたい耀ようが、ようをからかうようう。


ぼくほくだいじょうだけど、ようおこられそうだな」

「ぅんなわけるか!」


 そうもんかえしたようしりに、スセリはすこもうわけなさそうにく。


「もしかして、くびかざりはかったら不味まずいのかしら?」

「うぅん……、いまならまもるアイテムだとえばだいじょうがする」


 がそうわると、ようがスセリにう。


「そうえばスセリ、臣器おみきってめしうんだな。かっあさめしおうとして、かあちゃんにかくすのたいへんだったんだぜ」


 そのこといたほくたい耀ようおどろき、そのようたスセリはさんにんせつめいをする。


しょくひつようなのは、せいめいつかさどリュウジャマルだけです。るならすこしずつでいので、ものあたえてあげてください。そうしないと上手うまちからはっません」

「OK。じゃあひるは、きゅうしょくとかわけてやればいか」


 ようがそうへんかえすと、ほくもんかえす。


「でも、どうやってべさせるのさ。臣器おみきたちみんなえるんだよ?」

「そんじゃ、ひるめしきか」


 そうったようたい耀ようう。


よういまいけど、ひるからゆうがたけて、アラハバキがおそってたらどうするつもりだ?」

「そんじゃ、どうするんだよ!」


 たい耀ようことようがそうかえすと、たい耀ようようていあんをする。


はいぜんしつきゅうしょくしつで、バレないように、のこものをこっそりもらうしかないだろう」

「バレないようにって…… やつきゅうしょくのおばさんにバレたらどうすんだよ!」


 そうって、すここったようう。


だいじょうようひるやすみのちゅうぐらいまでは、おばさんたちきゅうけいしつでテレビてるから」

「そうもんだいじゃねぇだろう!」


 ようにそうもんうと、ほくていあんをする。


しょっはバレるからていしつからこっそりりよう。ようくんてイタズラはするけど、こうことにはだよね?」

ほく、おまえなぁ!」


 ほくたいしてそうかえしたように、さとようう。


「あきらめなさいようわたしたちわりばんこでやってあげるから」


 どもたちいちれんかいいて、スセリはクスクスわらうとほくにおねがいをする。


ほく、そろそろようたい耀ようものもキーホルダーにえてくれるかしら。臣器おみきたちたのみたいことるし」

かった」


 へんをしたほくは、ランドセルにいているキーホルダーをごういんつかみ、ロウオウマルぶ。


ロウオウマルて!」


 するとどもたちまえに、がた……だいたいぜんちょう150センチぐらいのロウオウマル姿すがたあらわした。


ふたともきんいろやつして」


 ようたい耀ようは、ほくにそううながされランドセルからぶんたち臣器おみきそうしょくひんし、ロウオウマルまえく。


「おねがロウオウマルふた臣器おみききんいろやつも、ボクのみたいにしてくれる?」


 そのことわるとどうに、臣器おみきそうしょくひんはキーホルダーに姿すがたえる。

 ようたい耀ようが、ランドセルにキーホルダーをけているあいだ、スセリはたのむ。


、おねがいがるのだけれど。まどけてくれない、からないように」


 はスセリにたのまれ、そとだれことかくにんしたのちまどけた。


「これでい、スセリ?」

「ありがとう


 スセリはにおれいったあとようたい耀ようう。


ようたい耀ようリュウジャマルホウオウマルんでちょうだい

なにするだよスセリ、だいたいがっこうなかリュウジャマルべんのかよ?」


 ようかえすとスセリはこたえる。


「だからまどけたのよ。いまそらえんちょうせんじょうねんためいったいていさつしてもらおうとおもって」


 そううスセリにたい耀ようしつもんをする。


「そうえばスセリ? なんでこのきんぞく臣器おみきおおがたしょうかんしたときえてくなったんだ?」


 その質問しつもんに、ようたい耀ようもスセリをちゅうもくする。

 たしかに昨日きのうまでは、そうしょくひんたい臣器おみきっていた。

 そのためかくにんため臣器おみきたちしたどもたちは、すこもんおもっていたのだ。


「それにいてはぶん貴方あなたたち臣器おみき…… わかやすうと、ともだちなかおもっているからだとおもうわ。っていませんでしたが、このたちほんしつは、みずかがみめた自然しぜんと、アラハバキのちからひとおもいにようしてかたちえるちから貴方あなたたちしきがた姿すがたときは、ぶんたちせいぎょするモノではないとう、おもいのあらわれじゃないかしら」

ったスセリ、しょうたいって……」


 臣器おみきしょうたいって、ようおどろいてスセリにそうかえした。

 ほくたい耀ようおどろいたかおをしており、そうはんのうかえってるとかいしていたスセリは、もうわけなさそうにさんにんせつめいをする。


かくしていてごめんなさい。昨日きのうてんはなしてしまうと、貴方あなたたち臣器おみきうたがい、上手うまたたかえないとおもっていたのよ…… あんしんして、このたちはアラハバキとはもうべつそんざいだから」


 スセリにそうせつめいされたようほくたい耀ようしばらなやむ。

 そしてほくはいったんロウオウマルけてから、スセリにう。


「ボクはロウオウマルことしんじるよ」

おれも」


 ようがそうつづけてうと、たい耀ようつづける。


ぼくも」

臣器おみきしんじてくれてありがとうさんにんとも。さぁ、まどいてることかれたらだれかがてしまう、はや臣器おみきを」


 がおでスセリがそううと、ようたい耀よう臣器おみきび出すキーホルダーをにぎめ、臣器おみきび出す。


い、リュウジャマル!」

「おまえもだ、ホウオウマル!」


 ようたい耀ようがそううと、かいしつがた……ぜんちょう2メートルほどリュウジャマルと、ぜんちょう50センチほどホウオウマル姿すがたあらわし、スセリはようほくたい耀ようう。


さんにんとも臣器おみき偵察ていさつの……――」

ってスセリ、このたちまちひとたちかったらどうするの?」


 しかしが、スセリのことさえぎりそういてたので、スセリはくびよここたえる。


いまかんぶん、おじいちゃんおばあちゃん以外いがいそとているひとなんてそんなにいないからへいよ。それに臣器おみきたちも、バレないようていさつがんってくれるわ」


 そうったスセリにこたえるように、リュウジャマルロウオウマルホウオウマルちいさくうなずいた。


「ヘマすんなよリュウジャマル

がんってねロウオウマル

まかせたぞホウオウマル


 さんにんことどうに、臣器おみきみずからのあるじたちいちべつし、はなたれたまどからそとく……

 こうとするが、ホウオウマルだけがとてもそとるのがつらそうで、リュウジャマルきょうりょくでどうにかことた。


明日あしたからは、しゅうだんとうこうまえしておいたほうが、さそうだな」


 たい耀ようがそううとみんながクスクスわらい、スセリがようほくたい耀ようう。


臣器おみきたちは、そのかざりをけたじょうたいべば、貴方あなたたちの……――」

「おい、かいしつだれるのか?」


 かいしつそとからだんせいこえこえ、スセリははなすのを姿すがたす。

 りガラスしのため姿すがたからないが、こえでそこにるのがだれどもたちかいした。


  ガラガラガラ


 とびらけてはいってたのは、たんにんわたなべせんせい


「やべ!」


 ようことかえかたちで、わたなべせんせいようたちすこおこった調ちょうう。


「おまえたちかいしつなにをやってる。せんせいられて不味まずことでも、たくらんでたんじゃないだろうな!」


 わたなべせんせいにそうわれ、これは不味まずいとおもったたいようは、ものすごかおつくわたなべせんせいかえす。


ちがうんですわたなべせんせいいてください!」

なんだ?」

せんせいも、昨日きのうてんたちけんっているでしょう?」

「それが如何どうした?」


 そうかえしたわたなべせんせいに、こんすこあんそうなかおつくってう。


じつはあそこの河川かせんしきうち使つかうはずだったのでけいさつ調しらべられて……」


 さらに、ほくあんそうなかおことつづける。


「ボクたちいっしょたんですけど、みんながどれぐらいのことってて、へんうわさこってないかしんぱいで、そうだんをしてたんです」


 さんにんにそうわれたわたなべせんせい真面目まじめかおり、なにってこないようほうくと、ようく。


ほんとうか、よう?」

わるせんせい。こんなはなし、みんなかれたくねぇからな…… ないしょにしといてくれよ」


 ぶっきらぼうにようがそうこたえ、わたなべせんせいすこかんがえてからようたちう。


「おまえたちかったか?」

だいじょうでした」


 がそううと、わたなべせんせい微笑ほほえんでう。


「それはかった。それではなしはまとまったのか?」


 そんなわたなべせんせいに、こまったかおたい耀ようこたえる。


「いいえ」

「それなら、そのことせんせいがそれとなくいてやろう」

「えっ!」


 おもいもらないわたなべせんせいことほんらすと、わたなべせんせいにがかおをしてう。


なんしんようい……のはたりまえか…… いからまかせておけ。それよりなんまどいてるんだ?」

なんしんくさくてさぁ、ぶんてんかんに」


 ようがそうこたえ、わたなべせんせいしんまんまんう。


「とにかく、キチンとじまりをしたらきょうしつくぞ」




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る