クローゼットから異世界に

あに

第1話 不思議なクローゼット


 彼女いない歴十八年、高校を卒業して一人アパートの一階の一番奥のワンルームを借りる。そうするとどうなるか、寂しくて死にそうである。

 だれか俺を救ってくれよー!

 まぁこれからの新生活は楽しくなるさ。

 ここから俺の人生は始まる!


 段ボールだらけだけどとりあえず荷物を片付けて行こうとクローゼットを開けたらそこは異世界だった。と、とりあえず閉める。

 え、えーと、俺が借りたのは普通のワンルームであり。別世界に繋がっているなんてオプションは付いてないのにな?


 もう一度開けてみるとなぜか道端につながっている?これじゃあ服がかけられないよ?

一度中に入ってみるとそこは路地裏で後ろを見ると扉がある?えーと。

「なんじゃこりゃー!」

 とりあえず扉を閉めてみるが扉が消えることはないと。よし、探索しよう。


 探索した結果、異世界であった。

 獣人や爬虫類みたいな人もいたし、何故か文字も読めてギルドに登録までしてしまった。

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 ヒロト  年齢十八歳 ランクF

 スキル 剣術

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 剣術は剣道部だったからかな?

 家に帰ってとりあえずコーヒーを淹れると落ち着こうとするが、このカード一枚で異世界に行った証拠になるんだから、どうしたもんか?

 まず服が入れられないから収納棚を買わないといけないし。色々と出費が。


 いやそれよりも異世界でしょ?時間は一緒なのかとか、あっちって魔法があるのかとか色々検証しないといけないと思うんですが?


 現在昼の12時半、そしてあっちに行って30分くらい街ブラをすると、珍しい格好らしくてジロジロと見られている。一つの雑貨屋に行って100均の腕時計五百円の品を売りに出すと金貨20枚と言われた。

 話す言葉もわかるしこの親父がぼったくってるのもわかるからそれじゃ売れないと言うと大金貨5枚になった。それで交渉成立だ。


 そこの親父と喋って魔法はあるのかと聞くとあると言う。魔法は魔法屋というところで購入できるようなので魔法屋に行くことにした。


 魔法屋に至っては普通の家のような佇まいなのだが入ってみるとボールがいっぱい並んでいた。受付のお姉さんに何かいい魔法はないかと聞くととりあえずは魔力循環と生活魔法がいいと言われて買ったら金貨20枚だったので残り大金貨4枚と金貨80枚になった。

重くてモテないというとマジックバックを勧められたので買うと大金貨1枚だった。

 マジックバックに金貨を入れるとスルスル入るのでいい買い物をしたと思うデザインもかっこいいしね。


 魔法を覚えるにはこのボールを割ればいいらしいのでこの場で割ると何かが自分の中に入ってきた気がする。二つ目も割ってこれで魔力循環と生活魔法が使えると思うが、本当に使えるのか?トーチ、ライト、ウォーター、クリーン、ホールの五つの魔法が使えるらしいがどうだろう。

 魔力循環は何かあるのがわかるのでこれが魔力なのだろうな?一番無難なトーチをお姉さんの前で唱えるとライターのような火が指先から出ている。息を吹きかけて消そうとするが消えない消えろと念じたら消えた。

 ほうほうこれが魔法か、いいなぁ。

他にもおすすめはあるか聞いたら鑑定と身体強化だったのでそれも買った。金貨50枚、高いのか安いのか、高いんだろうな。

 まあ、二つとも使って魔法屋を後にする。

もう30分経っただろうと思い自分の部屋に入ると時間が経っていなかった。これはすごいことだな。


 ワンルームに一人で住むのが嫌だったがこれはこれでありだな。

 俺は百均に行って腕時計を二つ買った。

 一つは売るようだ。

 あと売れるものはグラスとかいいのかな?ガラスはあったが汚かったしな。

 グラスを三つ買ってバックに入れるとまた異世界に行く。

 さっきの雑貨屋で見せる。

「お、おおー、綺麗なガラスのグラスでございますね」

「これいくらになる?」

「…大金貨3枚、いや4枚で」

「んじゃ三つあるから大金貨12枚かな?」

「うひょー。よろしいのでございますね?」

「今後ともよろしくってことでいいよ」

「わかりました、勉強させてもらいますよ!」

「じゃあこの時計はどうする?」

「こ、これはまた、中が見えるんですね!緻密な時計だ…大金貨10枚で!」

「よし売った」

「ありがとうございます」

 これで大金貨22枚の儲けだな。100均の製品だし、五百円の商品も入ってるけどこの世界だとそれだけの価値はあるだろ。


 次は武器屋に来た剣を鑑定して行くと、鉄の剣で値段も一緒なのに鑑定するとプラスがついてたり空きがあるやつがあるので鉄の剣++に空きがあるやつを購入する。腰にぶら下げる用のベルトは防具屋らしいのでそっちに行くと革鎧が動きやすそうだったので試着してみて買うことにした。ベルトもその時に買う。これで大金貨2枚無くなった。


 これでどっからどうみても冒険者だろうと思ったがみんなブーツを履いているので、ブーツも欲しくなりブーツを買いに靴屋に行くと俺の靴を仕切にほめていたが売らないよ?一応ブランドの靴だからね。

 ブーツに履き替えてこれで完璧だ!


 とりあえずギルドにもう一度寄ってFランクの依頼を見ると薬草採取があったのでそれにする。常設なので受付に行かずに外に出る。

 薬草薬草と探していたらツノの生えたキラーラビットと言うモンスターが出てきたので剣を抜くとりあえず様子を見ていると飛びかかって来そうなので半身で避けて剣で斬る。

ちょうど首のところだったので逆さに吊るして血を抜くと、バックに入れる。

 解体も覚えないとな。

 流石にラノベみたいにドロップ品にならないのでそのままだからな。

 そのあと日が暮れそうになるまで薬草取りとキラーラビットを倒しながらギルドに戻り薬草を収める。

「どこかで解体をおしえてくれるところはないですか?」

「それならあちらのドアに行ってください」

 言われるまま行くと血の匂いで咽せそうになるが、我慢してそこにいるおっさんに解体を教えて欲しいと伝える。

「なんだ小僧?解体だと?何を解体したいんだ?」

「キラーラビットです」

「ならものを出しな」

 キラーラビットを出すと、

「ふん、状態はいいな。内臓も捨てた方がいいぞ」

「はい!」

 それから解体を教わって自分でできるようになるまでそれなりに時間がかかった。

「これなら最高値で買い取れるぞ」

「ありがとうございます」

 自分で狩って自分で捌くことを覚えるのはちょっと楽しい。

 もう夜になってきたので、部屋に帰る鎧と剣、ブーツを取っ払ってソファーに座る。


 楽しいぞ異世界!

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