どうやら俺の思い描いていた最高に素晴らしい高校生活に必要不可欠なものは魔法だったらしい。 〜触れていないと使えない魔法って、ソレ最高じゃないっすか〜

よいち

ロマン亡き世界

 ファンタジーはファンタジーのままであって欲しい。

 常々俺はそう思う。

 フィクションはフィクションのままがいいし、幽霊はいない方がいい。

 

 矛盾していることを言うと、別に幽霊はいたっていいと思う。

 だけど俺は幽霊がいると断言して欲しくは無いのだ。

 

 現実と空想の曖昧とした境目。

 幽霊もファンタジーもUMAも何もかもがそこにあるからこそ、人生が楽しくなる。

 俺は断固としてそう思う。

 

 現実的でないものはふわふわとしていて不確かで、頭の隅っこの方でおったらええなぁ……とかその程度の認識でいて欲しい。

 ロマンのままの存在でずーーーーーーっといて欲しい。

 

 実際、UMAはいます! なんて自信満々に、しっかりとした理論を交え、実物も見せられ、そう宣言されたものなら俺はガックリと肩を落とすだろう。

 何でそれを明らかにするんだ! そう言ってソイツの襟を思いっきり掴むかもしれない。

 いや、掴む。そして投げる。

 

 つまるところ俺が言いたいのは人生のスパイス、空想上のロマンであるべきものが、現実的なリアルになるのは許しがたいっつーことだ。

 

 そして俺がこれまでの結論として、言いたいことが一つある。

 


「うおお?! 見たか!?今の見たか?!昨日よりデカくね!?」

「そうかぁ?」

「絶対そうだって!!」


「ファイア! ファイア! ダーー! ぜんっぜん出ねぇぞ!?」

「バッカ、まず呪文がちげぇ。こうやんだよ。紅き蹂躙燃え盛り、森羅万象を灼き尽くせ!」

「いやお前もセンス無いな。イケイケの顔で言ってるとこ悪いけど、マッチの方が全然使える」


「ねぇねぇ、惚れ薬みたいな魔法って無いのかなぁ」

「んんー、教科書にはのってないよー。でもあったらいいねー」


 

 今の世界は許しがたい。



 ――――――――――――


 

 魔法がフィクションからノンフィクションになって、早二週間。

 俺はその二週間で生まれてから死ぬまでの一生分の溜め息をついたと思う。

 

 世界の色が消え失せた気もした。

 いや、消え失せた。

 

 愛読書であった魔法世界が舞台のファンタジー小説。

 世界的ベストセラーのアレ、眼鏡の魔法使いのヤツ。

 あんなに面白い作品だったってのに、今では読むのが億劫だ。

 だってファンタジーがファンタジーで無くなってしまえば、ファンタジー小説の存在意義が無いじゃないか。

 

 心がワクワクする冒険活劇も何もかも、それがあり得ない世界だからこそワクワクするものだ。

 魔法が実在する世界で魔法が実在する世界の小説を読んでも、それはワクワクからかけ離れた現実感を産み出してしまう。

 

 学者は阿呆だ!ロマンが分かってねぇ!

 どこの誰が神の確たる実在を喜ぶ?

 アトランティス、ムー、レムリア……ぜーんぶ同じ!

 あるかないか分からないから、俺ら人間はそこに思いを馳せるんじゃないのか!

 ありますよー何て言われたら、ふーんあるんだ……へぇ……そうなんだぁ……ってなって、どんどん興味を無くしていくに決まってる。

 

 そう、魔法も同じだ。

 魔法が存在しなければ、俺は死ぬまできっと魔法に思いを馳せれた。生涯、胸をドキドキさせられただろう。

 しかし、魔法が実在してはいつか絶対、いや既に。

 魔法への新鮮さばかりが消え、最後にはきっと『え、魔法って常識だろ? 米が主食と同じじゃん 』みたいにロマンが無くなってしまうに決まってる。

 

 ロマン無しに俺は俺でありえない。

 日本には男のロマンと言う言葉があるんだぞ!

 

 このままいったらこの世界の何もかもが解明されて、謎の無い世界になってしまいかねない。

 俺は絶望だ。誰かに絶望魔法エンド・オブ・ホープ(適当)ってのを使われたのかってくらい、 この二週間ツラかった。

 今もツラいけど。

 

 親に部屋から引きずり出されなければ二週間でも三週間でも、いっそ一年でも十年でも引きこもっていたかった。

 こんな世界から目を背けたかった。

 テレビも見るのをやめていた。

 リビングから家族の話し声が聞こえた。魔法についてだった。

 俺は布団の中で一人泣いた。

 こんなのゲームの世界のみであってくれよ。そう思った。

 

 学校には行きたくなかった。

 今の世界では魔法がゲームのように、スマホのように、新しい玩具としか思われていないんだろ?

 そこにロマンは無いんやろ?


 二週間ぶりに自分の通う高校に向かう俺の足取りはとても重かった。

 それでも箒で空を飛んでる人間とかは登校中に見なかったので、もしかしたら全部これはドッキリでーす!みたいな展開も心のどこかで期待してしまっていた。


 しかしそんな俺の淡い期待は簡単に粉々に崩された。

 やっぱり魔法は手の届く現実的なものになっていたんだ。ガッデム!

 

 授業前、朝のホームルーム。

 

 教科書を渡された。俺だけだ。

 不登校……言い換えれば、ロマン亡き社会へのレジスタンスをしている間にあれよあれよと、魔法学っつー教科が追加されたらしい。

 それの教科書だった。何だよ教科書って………魔法の教科書て……。

 

 ホームルームが終わると、すぐに教室の中はやかましくなる。

 二週間前なら昨日のテレビの話とかゲームの話とかファッションの話とか、繰り広げられるのはそんなありふれた日常会話ばかりだったはずなのに、今じゃすっかり話題の中心は魔法にすり替わっている。

 日常会話が異常会話になってやがる。

 いや、今はこれが日常会話なのか。

 

 自分の手とにらめっこしているヤツ。

 教科書読んでるヤツ。

 自慢気に語ってるヤツ。

 何かカッコいい詠唱してるヤツ。

 そしてふて寝してるヤツ。最後は俺だけど。

 

 魔法学の授業が開始されたのはたったの一週間ほど前。

 授業のペースが二日に一回だと仮定しても、俺が授業をサボったのはどう見積もっても三回程度に過ぎないと思う。

 しかしどうやらこの三回の遅れは、三回よりも大きいらしい。

 意味が分からないと思うかもしれないが、そのままの意味だ。

 

 人間の指から火は出ない。当然だ。

 ガスも燃料も何も指先には無い。

 そこには指紋があるだけで火なんざ出るがわけない。

 

 だが目を開くとそこには、そんな指先からちっぽけだけど確実に、立派に、火を灯しているクラスメイトの姿。

 非現実的だ。非科学的だ。

 だけど今の世界ではこれが現実的で科学的なのだ。

 

 どうやら俺以外の全員……全員はしょぼいけど、魔法というものをちょびっとは使えるらしい。

 累計しても三時間にも満たないだろう授業で使えるようになるとは何と魔法とはイージーなものなのか。俺はそう思う。

 

 もっと気分が沈んだ。うんざりだ。

 あの馬鹿な高木も坂田も中山も、イケイケ野郎の坂本くんも、読書が好きな山下さんも、日夜グラウンドで汗を流して甲子園を目指している甘坂くんも、どこぞの国からのパツキン留学生メリッサさんも、アニメオタクの杉崎くんも、学園のマドンナである武者小路さんも、皆が皆魔法を使えるってことだ。


 魔法とはもう、ファンタジーでは無いのだ。

 俺はキッパリとそう言い放たれた気分になった。

 

 部屋にこもり現実逃避をしていたこの二週間で、世界は丸っきり変わってしまったらしい。

 

 肺がブッ壊れるんじゃないか、そう思えるくらいの溜め息は俺の中の酸素を全て奪う。

 そんな長い長い溜め息を吐いてから、頭を抱える。机に突っ伏し直す。

 目を閉じて耳を塞いで何もかもの外界の情報を遮断しようとして、それは許されなかった。

 

 俺はボッチでは無い。人並みに友達はいる。


 考えてもみてほしい。

 二週間も友達が欠席していたら、何事かと話しかけるだろうよ。

 つまりはそういうことだ。


 上履き特有のカツカツと床を叩くような小気味のいい音。俺に近づいてくる。


 真っ暗闇な視界ではその音がよほどリアルに感じ取れて、聞き慣れたその足音は見なくても誰のものか容易に想像がついてしまう。


 だからこそ俺は、その足音の主に先制パンチを仕掛けることにした。


「汝、この世界をどう思う。欲にまみれた人間どもが、魔法と言う非現実にうつつを抜かし、ロマンを自ら捨て去った、救いようの無いこの世界を………どう思う 」


 少し作った重い声、心はラストダンジョン辺りの門番。もしくはデカい扉についてる顔の像。いきなり深層心理をつく質問してくるヤツ。

 俺の唐突な問いに困ったのか真面目に考えているのか、机の前で立ち止まったままの無言の相手。

 やがて口を開く。

   

「………なんのお話?まぁ、難しいことはよくわからないけど、魔法すごいよね! わたしビックリしちゃったよ〜っ!シュウが引きこもってる間にね、新しい授業が増えてね〜っ!それでわたしすごいんだよ~?きっとビックリしちゃうよ~? 心臓の準備は大丈夫かな~?」

「…………… 」

「もー! 無視しないでこっち見てよ~! 顔上げてよ〜っ! ほんとすっごーーーいんだよ?! バーン!ボワー!!って感じなの~!!」


 間延びした声。オノマトペ的表現なら、ぽわぽわしている。

 主語のない言葉に俺は答える気は無く、突っ伏した状態で物事が過ぎ去り、平穏無事な明鏡止水ぐらいの静寂に戻るまで待とうとした……


 が、それは失敗らしい。声が尚更大きくなった。

 握り締めた拳をブンブンと揺さぶっている情景が、俺の瞼の内側に映し出される。

 何度も見た光景。頻度で言えば、一日に十二度くらい。


 俺は依然として無視を続けようとした。

 すると相手は実力行使に移る。俺の机を揺らす。ガタガタと揺らす。

 突っ伏した頭が、額が、机にガンガンと当たる。痛い。

 たまらず俺は頭を起こした。

 恨めしげに目を細めて、そのまま目の前の敵を睨み付ける。

    

「去れ。魔法なんて非現実的行為に手を染めたお前は、もう幼馴染みでも友達でも無い」

「えへへ、照れちゃうよ~」

「…………は?」

「シュウってばも〜……こんなところで、そんなこと言っちゃ駄目だよ~っ。そういうのは校舎裏って相場で決まってるんだよ~?」

「……………」

「そんなの急すぎるもん。あ、でもね、嫌じゃないよ~? でもね、教室ではやっぱりね~……?」

 

 このアホは何を言ってるんだ?


「………どぅわっ!?」


 頬杖をつこうとしていた俺は呆れて力が抜け落ち、頭を支えられずに思いっきり顔を机にぶつけてしまう。めちゃんこ痛い。

 痛みを通り越してツーンって感じになる程度に。


 まさかコイツ、いやコイツだからこそか?

 完全に俺の言葉を曲解してやがる。


 今更ながらコイツの名前は桃ノ木もものぎ陽咲ひなた

 めんどくさいので端的に説明すると、薄桃色の瞳に肩にかかる長さの茶髪、オレンジ色のヘアバンド。

 そして一番大事なことは、アホだ。アホアホだ。


 幼馴染みでも友達でも無い発言イコール、アホなコイツの脳内では、“告白”という結論を下したに違いない。

 頭が痛くなる。物理的に、精神的に。


「しゅ、シュウ大丈夫!?」

「大丈夫。もういい。で、何が凄いって?」


 俺はスルーをするーことにした。


 このまま会話を続けても平行線で、トークの終わりが見えないのは過去の経験から、確実。

 だからこそ俺は、核心をつく。

 まぁそれだけじゃなくて、少し気になることもあったからだけど。

 だって何が凄いのか、気になるのは仕方なくないか?

 そこは人間の本能っすよ。


「あっ!そうだった!あのね、そのね! 魔法だよ!まほー!バーン!ボワー!!って感じなの~!!すごいんだよ~!シュウが見ちゃったら、心臓プッツン止まっちゃうかもよ~? でも見たい〜?見たいよね~? 」


 思い出した、そう言わんばかりに胸の前で手を叩く陽咲。

 まずは嬉々とした笑顔、少しイラッとする得意気なドヤ顔、その二段階に分けて俺を見てきた。


 ものっそいムカつく。頬をつねってやりたくなる。


「さっき聞いた。だから魔法の何が凄いんだよ? 見たけどよ、うちのコンロの方が全然火力的に使えるっての。魔王とかがリアルに存在しない限り魔法なんていらねぇよ」


 けれども優しい俺はそれを妥協し、言葉のみでの反論にとどめた。


「むむぅ……シュウ、冷めてるよ〜っ! そんな冷めてたらね、氷になっちゃうよ!なっちゃうよ~!!」

「ハッ。しっし。そんな冷めてる俺の近くにいたら、凍死しちまうぞ。ほら、いったいった。俺は寝るからな」

「でもわたしは優しいからね、シュウの凍った心を治してあげるの~!!うおおおお~もえろ~……もえろ~~!!」


 また机に突っ伏して、逃げるように眠りにつこうとしたんだけども、それは残念ながら成し遂げられなかった。

 間の抜けた声、力の抜ける陽咲の声。

 しかしそれとは対照的に、物凄く重圧を感じる熱。

 チリチリと頭皮が焼けそうだ。


「………あっづっ゛!? ────

  

 この年でハゲるのは避けたい。

 俺は慌てて机から起き上がり……そして見てしまった。


───ってなんぞそれ?!」


 対峙するのを避けたかった非現実的光景。それも幼馴染みが行う姿。

 俺の中で魔法がファンタジーからもっとリアルに寄っていくのが、手に取るように分かる。


 陽咲はまるで俺をストーブ代わりにして暖を取るように、両の掌を俺に向けていた。

 普通なら手相丸見えになるものだが今はそうでは無い。

 その掌の中にはもう言葉では言い表せられない、灼熱の塊。


 マッチ棒よりもちっぽけな火。

 それが俺の初めてテレビ以外で見た魔法だった。

 しかしこれは違う。

 ディスイズ・魔法。ディスイズ・ザ・マジック。

 まさにファンタジー。大きな大きな炎の球。


 これバレーボールより大きいんじゃないか?


 俺は至近距離で熱風を浴びる。

 冷や汗と物理的暑さ、その二つの混ざった汗を膨大な量垂れ流しながら、そんな感想を抱いた。


「えへへ~ビックリした〜?したよね?すごいでしょ~?わたしのまほぉ〜っ」


 呑気に首を傾げ、俺の反応を楽しんでいるらしい陽咲。

 しかし俺はそれどころでは無い。

 マジで本当に熱い。暑いじゃなくて熱い。


 教室内の気温を言うならアラブとかあの辺の気温を優に越えるんじゃないか?

 だってほら至近距離に小規模の太陽みたいな熱源だぜ?


 てか教科書っ!教科書に火の粉が!?


「アホかお前!!はやくその物騒なもんしまえ!燃えるから!これ燃えちゃうから!」


 水面に波が広がる時のように教科書の端から火の手がじんわりと伸びて、白黒混じりの煙がそこからは上がり始めていた。


 俺は咄嗟にそれを手で叩いて、まだ勢いの弱いうちにこのボヤを止めようとした。

 が、それよりも早く陽咲が動いた。アホが動いた。

 

 視界の端に青い光と白い粉が見えた。

 気温が下がるのを感じた。

 吹雪だ。


 いや待て、ここはスキー場だったか?


 いな違う。ここは教室だ。


「はわっ?! しずまれー!しずまってぇーーっ!!」


 慌てているらしく口調がいつもより切迫している陽咲。

 その手からはさっきまでの炎は跡形も無く消えており、代わりとなって出てきているのは、凍えるように冷たい風と雪だった。


 お陰で火はすぐに消えたんだが、その頃には教科書は打って変わって凍結し始めていた。


 無論、それは延長線上にいる俺も。

 腕の先から凍ってきた。

 ギャグ漫画でなら助かる描写だが、これはやばい。

 もう氷が首元まで来ている。


 止めようと陽咲の名前を呼ぼうとしたんだが、俺の声帯はうんともすんとも言わない。


 喉を過ぎて、顔も包まれ、気付けば俺は完璧に氷に包まれていた。

 もはや人間じゃなく、氷のオブジェだ。スノーマンだ。


 死ぬ、そう思った。


「シュウが雪だるまになっちゃってる?!た、大変!!」


 気が動転していた陽咲も、俺の状態に気づいたらしい。

 氷を溶かそうとまたさっきの炎を出しているのが、飛びそうな意識の中で微かに見えた。 


「し、死んだか………俺? 」


 すんでの所でギリギリの生存。

 俺の身体を覆っていた青い氷は溶け、一部は即座に蒸発。

 余りは教室の床にとして垂れ落ち、室内だと言うのに俺の足元には大きめのサイズの水溜まりが作られていた。


 サイズ感を適切に例えるなら小学生がカッパを着込み、傘を持ちながら思いっきりジャンプをして、長靴を履いた両足で着地したくなるくらいのサイズの水溜まりだ。

  

 雪解けしたばかりの俺、手は動く。瞬きも出来る。

 赤色の制服はまるで豪雨の中登校したようにぐしょ濡れ。

 さらに寒い。ガタガタと身体が震える。

 足でビートを床に刻んじまうくらい、寒くて震えている。


 そして机の下と同じく、いやそれ以上に机の上は酷い有り様だ。

 教科書なんて端は燃えカスになってるし、全体は俺みたいに濡れまくっているせいで、文字が滲んで内容が何も分からん。

 捲ろうとしたらページ破れちゃうし。


「うわわ!? シュウが凍え死んじゃう?! あっためてあげるね?! うおおーー!!!」


 ふと陽咲のほうを見ると、ぐしょ濡れで震える俺を心配したのか目を回していた。

 気が動転しているのが手に取るように分かった。

 頭の上で回る星まで見えた気がした。

 

 てか、嫌な予感がした。

 予感が悪寒に変わった。

 悪寒は確信に変わった。

 

 アホの手にはまた燃えるような赤色が見えた。


「いや待て! 待ってくれ!待って下さい陽咲さま!!てか止まれぇぇ!! そこで俺を燃やしたら終わらないやつになるから!! 」


 水で垂れて覇気の無い前髪も気にせず振り乱し、俺は両手を振ってこれ以上の悲劇を避けようとする。


「あったまれーー!! あったまれーー!!!!!!」

「話せば分かっ………づああああああ!!!!」


 その後、五度にも渡る灼熱と凍結デッド・オア・アライブを繰り返してから、俺は保健室へと運ばれた。

 不登校レジスタンスからの復活である登校初日のホームルームから、俺の魔法社会に対する憎しみがグングン高まってしまう結果になったというのは、わざわざ語る必要も無いくらい────当たり前の話である。

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