第43話 洞窟

 どこ行ったんだよ〜小さい島で迷子かよ。もう…性格的にじっとしてられないんだろうな。


【みさきさん〜どこですか?】


※【お兄さん、誰が探してますか?手分けして探したほうが早くないですか】※


※【そうですよ。小さいとはいえ、茂みに入ると見えなくなりますよ】※


申し訳ないけど、ここはお願いするか。


【すみません。みさきさんという女性が見当たらなくて。お二人は海岸沿いをお願いします】


※【解りました】※


【みさきさん〜どこ?おーい!!】


🫧はると…怖いよ…🫧


【みさきさん?】


 あの時の声…直接響いてくる。間違いなくみさきさんだ。信じてみるか。


【みさきさん〜俺の声聞こえますか〜!!】


🫧はると…足、痛めちゃって…🫧


 届いているのか?俺の声が。それとも、みさきさんが続けて叫んでるのか…


研ぎ澄まして、声の方向を確認してみよう。


波の音、風の音…他には…


研ぎ澄まして、研ぎ澄まして、


🫧この洞窟に、なんだろう、あれ?🫧


 みさきさんの声だ。聞こえたぞ。洞窟!!この島にあるとすれば…中央だ!!



…………………無人島中央洞窟……………………



洞窟があった。間違いなくここだ。


【みさきさん!!返事して】


【はると!!えーん😭入ってすぐのとこ…】


【今行くから!!】


入ってすぐ…いた!!


【何やってんの!!大丈夫?】


みさきさん、大泣きでしがみついて…


【はると〜😭怖かったよ〜あれ!!前に見たことあるよね?】


暫く見てないから、忘れていたが、時空の狭間か。


【みさきさん、近づいちゃ駄目!!】


【動けなくて…】


【俺につかまって、行くよ!】


とりあえず離れよう。外に!!



………………………洞窟の外………………………



【みさきさん、もう大丈夫。みんな探してくれてるから海岸沿いに歩くから。つかまってて】


【はると、重くない?】


【重くないよ。気にしないで】


【はると…汗かいてるね…ごめんね…グー😪】


寝たのかよ…もう。お気楽な…


 とにかくみんなに合流しないと。この洞窟に入っては危険だ。


※【あっ、お兄さん、海岸沿いにはいなくて】※


【すみません、お騒がせしました。いました】


※【いましたって、どこに?あっ、おぶさってる】※


【ありがとうございました。本当にご迷惑おかけして、お礼って訳ではないんですが、戻りましたら、皆さんに夕飯ご馳走します。簡単なものですけど】


※【おい、夕飯代うくぞ。やったね!】※


 探してくれたの女性二人だけどな。でも、連れだからいいかな。急いでユキさんに連絡しないと。


※【お兄さん、こちらの女性、彼女さん?】※


【違いますよ。友達で…】


※【随分嬉しそうな寝顔で寝てますね。見つけてもらって嬉しかったんだろうな。それに安心しきってる。ほんと友達~?】※


【友達ですって。みなさん、島の中央の洞窟には絶対に近づかないでください!!】


※【何かあるの?危ないの?】※


どうしよう…なんと説明するか…


【モンスターが出ます】


※【モンスター?】※

※【このようなご時世に?】※

※【???】※

※【それ。苦しくない?】※


苦しいね…もう。でも危ないのは変わりないから。


【みさきさん、おろすよ…無理か、歩けないね】


【はると…あっ、寝てた?ごめんね。弟におんぶって恥ずかしい…歩いてみる…いたた…】


【おぶさっていていいよ。弟って言わない約束…】


※【弟?】※

※【友達って?】※


はー、言うなって言ったのに…


【ごめん、約束破っちゃった、ヘテッ😜】


俺はみさきさんで通してきたのに…あーあ。


※【優しい弟さん。お姉さん助けたもんね】※

※【恥ずかしがることないじゃん。こんな綺麗なお姉さんなら大歓迎でしょ。いいな〜俺もお姉さんほしかったな〜】

※【あんたは何かと買ってもらえると思ってるだけでしょ?現実は甘くないよ】


ユキに連絡しないと!!夕飯7人分の…


【では、もうしばらくうさぎ🐇と遊んでいてください。夕飯準備に少し時間必要なので】


※【夕飯楽しみ〜あの喫茶店でしょ?料理美味しいってけっこう話題になってるんだよ】※


 ヤバいな…るいさんだよ。それ。ユキさんにはそこまでの腕はないんだよ。しかも急に…ごめん!!ユキさん、頼む。とにかく連絡を。


【ユキさん、何か作って!ごめん。必ず詰め合わせはする】


【何?急に?るいに変わる?】


えー、帰ってきてるの?るいさーーーーーん!


【はると、どうしたの?何を急に】


【みさきさんが、怪我をして、お客さんに夕飯をご馳走することに】


【みさきが怪我?それで何で夕飯をご馳走?意味わかんない!!】


【ごめん。埋め合わせは必ず…】


【もう…定休日なのに…とりあえず得意のブイヤベースとパエリア、ステーキ、シーフードサラダくらいでいい?】


【最高!!Amazing】


【とりあえずすぐ出来ないから、オードブル準備しておくよ。あと、ノンアルね。みんな車でしょ?】


【もう暫くしてから戻ります。ユキさんにもありがとうと伝えて】


【はいよ、じゃ】


助かった〜るいさん、素晴らしい。


ユキさんも定休日なのにごめん。


みさきさんが、ぼそっと…


【はると、お腹空いたね。夕飯楽しみ〜】


あんたのせいだろーーーーー!!!


【気になっていたけど、はると、何で私の場所解ったの?】


【だってさ、聞こえたんだよ。何とも説明出来ないけど直接入ってくるような声みたいな】


【それね、私も。研究所でもあるよ。所長曰くタイムトラベルの副作用だって。タイムトラベルって脳への影響あるじゃない。刺激によってある部分が目覚めたって推測してるらしいよ】


【ふーん、じゃ、俺の考えてること解る?】


みさきさん、ニコッと笑って…


【はるとの考えてること…えーと………………

みさきさん可愛い!!スタイル抜群、姉ちゃんじゃ無かったらナンパしちゃうかも。どう?】


思ってねーよ!!





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